村上春樹が伝授する文章上達法は同じ文章を何度も何度も嫌になるぐらい書き直すこと
netgeek 2015年3月29日
|
村上春樹のコミュニティサイト「村上さんのところ」にて村上春樹本人がライティングスキルを上達させる練習方法を教えてくれた。
17歳、男性高校生からの質問。進路選択を目の前にして将来小説家になりたいと考え始めました。もちろん才能がある人だけがなれる職業だということは分かっています。でも、もっと長い文章を書いてみたいのです。
この相談に対して村上春樹は真摯にアドバイスを送る。
自己表現をするにあたっての僕のアドバイスは、レイモンド・カーヴァーが大学の創作講座で生徒たちにしたアドバイスとまったく同じものです。「書き直せ」、これがすべてです。いろんなものを書き散らすのではなく、ひとつのことを何度でも何度でも、いやになるくらい書き直す。これが大事です。その作業に耐えられない人は、まず作家にはなれません。
それから指導してくれる人、忠告を与えてくれる人が必要です。何度も書き直し、何度も忠告を受ける(あるいは批判される)、そうやって人は文章の書き方を学んでいきます。
たしかに職業的小説家になるのは簡単ではありません。しかしたとえ小説家にはなれなくても、人が生きていく上で、文章技術を身につけるというのはとても大切なことだと僕は思います。何かと役に立つものですよ。
これはすごく説得力がある回答だ。とにかく雑多に書くというよりも、アドバイザーの指導を聞き、一つ一つの文章を磨いていくことで完成度を高めていく。こうした地道な訓練に耐えられる人こそがプロになれるのだ。
「嫌になるぐらい書き直す」。
高い志と信念をもって訓練を積めばスキルは必ず上達するはずだ。とにかく基礎的なことを愚直にやろう。全てはそこから始まる。