楽天シンガポール撤退で堀江貴文「楽天が英語を社内公用語にしたのは三木谷社長の自己満足。これ正論すぎ(笑)」
netgeek 2016年2月18日
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事業撤退という突然の異常事態はすでに海外でも多くのメディアが取り上げており、現地に動揺が広がっている。ホリエモンこと堀江貴文氏は知人の「そもそも英語公用語は社長の自己満足だった」という指摘に「正論すぎ笑」と投稿した。
事の発端は、元ライブドア社員で現在はウェブ系のコンサルタントとして活躍する永江一石氏が楽天シンガポール撤退のニュースをツイートしたこと。
記事によると楽天は東南アジアの事業がうまくいかず、大きな損失を出したという。今回の決断はその結果を受けての撤退ということだったのだろう。撤退について詳細に報じた記事はこちら。
東南アジアでは、インドネシア・マレーシア・タイで事業撤退です。東南アジアでのネット通販事業の撤退で150人の解雇になり、シンガポールではそのうちの30人が解雇と現地紙が報道しています。(中略)
シンガポールでは解雇は原則自由です。しかしながら、日本で言えば、お正月の三が日に解雇されるのと同じかそれ以上の衝撃です。(中略)
旧正月の解雇というシンガポールの”タブー”を破って、これまで共に働いてきた仲間への「謝意を示せる」とは到底思えません。(中略)なお、今回の決算発表では三木谷CEOは、楽天が公用語としてきたこれまでの英語でなく日本語で行っています。理由の言及はありません。
記事は最後に、「英語はあくまでツールであり、グローバルを目指すならば現地の人に喜んでもらうことが本質。にもかかわらず不躾なことをした楽天はあまりにも失礼で、他の日系企業にも悪影響を与えかねない」と指摘している。「100年続けられる」と言い切った事業がサービス終了の告知2週間前だったこともまた地元民の不信感を高めた。
さて、この件についてやはり周囲からは英語公用語は無意味という指摘が殺到する。そしてホリエモンもそれに加担した。
あれだけバッシングされた楽天の英語公用語はやはり無意味だったのか。海外の現地法人はともかく、そもそも日本にいるスタッフが効率性を無視して英語で話すのは滑稽でしかなかった。今回ばかりは通称ミッキー(Mickey)こと三木谷浩史社長の方針ミスなのではないか。
最後にサイバーエージェントの藤田晋社長が、ネット企業の海外進出は難しいので撤退することになると予言していたブログを紹介しておこう。2013年の記事だが今でも大変参考になる。
最近、複数の国内のネット企業が、海外から撤退するという情報が立て続けに入ってきて、去年、 「来年みんな帰ってきますよ」 「来年は海外撤退ブームですよ」などと、月間BOSS(記事の下のほう ) などの取材で自分が答えていたのを思い出しました。 それで、「ほら、わしの言ったとおりじゃ」 的な自慢を社内でしていたら、「村の長老みたいですね」 と言われたのです(中略y)
グローバル戦略は我々含めこれから の企業には必須です。でも、グローバルブームに流されていたように見えるネット企業は、海外市場の成長性、規模、競争などの面から言えばその通りでも、 私には肝心の事業がなかったように見えました。
もちろん、波をうまくのりこなすことは 大事です。また、リスクを取らなければリターンもないのも事実です。しかし、サーフィンと同じで、自分の実力でとれるリスクの範囲で波に乗っていなければ、重傷を負うこともあるし、命を落としてしまう危険性もあります。長老になってくると海の怖さを熟知しているので、嵐の日に、「あの若者、海に出たのか!?」 みたいな気持ちになることがあります。
モノを扱うメーカーであれば、素晴らしいプロダクトができた段階で英語の箱と説明書を用意さえすれば海外でも飛ぶように売れる。日本らしい高い品質が評価されたSONYのウォークマンを思い浮かべると分かりやすいだろう。しかし、ネット企業の場合はそもそも取り扱うモノがなく、勝負の要は日本企業が得意とするところとはまた別の要素になる。海外進出は英語公用語でなんとかなるほど甘いものではない。
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