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秋元康・松浦勝人・見城徹・藤田晋のドリームチームが新設した株式会社gift、3億4200万円の赤字を出して身売りしていた

netgeek 2015年7月28日
 

ビジネス界隈で成功した大物たちが集まって結成された「株式会社gift」をご存知だろうか?設立時は「ドリームチーム」「絶対成功する」などと大変注目されたが、経営はあっけなく失敗し、身売りされていたことが分かった。

株式会社giftは女性向け雑誌「DRESS(ドレス)」を発売するために設立された会社。2013年に大々的に発表された。

gift_dress

創業メンバーには作詞家やAKB48Gのプロデュースで有名な秋元康、サイバーエージェントの藤田晋、雑誌「STORY」の編集長で「美魔女」という言葉を流行らせた山本由樹、幻冬舎の見城徹、エイベックスの松浦勝人とあまりにも豪華すぎる経営陣が揃っていた。

金・人材、コネ、ノウハウ…。ありとあらゆる経営資源を持ち備えたこのドリームチームは世間で大注目を浴び、「ここまで集まったら成功するに決まっている」「やべー!!!」「雑誌界にとんでもないことが起きる」「なんじゃこのメンバー!」などと大変話題になったのであった。

株式会社giftの会社概要欄(2013年4月のもの)を見ると、すごすぎて恐れ多い。

商号:株式会社 gift(gift inc.)
事業内容: 雑誌「DRESS」の編集・出版

最高顧問 秋元康
名誉会長 松浦勝人(株式会社 エイベックス・グループ・ホールディングス)
取締役会長 見城徹(株式会社 幻冬舎)
取締役副会長 藤田晋(株式会社 サイバーエージェント)
代表取締役社長 山本由樹

なんと会長が3人もいるではないか!!!もう肩書が複雑すぎてよく分からないことになっている。一体どの人が一番偉い人なのだろう…。

さて、肝心の事業はというと、40代の独身女性をターゲットにしたファッション雑誌「DRESS」を展開する計画だった。

dress_no1

あえて「独身」と限定し、ニッチな領域を狙うマーケティング戦略だったのだ。モデルには米倉涼子を起用しており、表紙デザインからは「洗練された大人の女」という雰囲気が漂っている。さて、このニッチャー戦略、吉と出るか凶と出るか。

凶と出た。なんと約1年半後の2014年12月に会社が売却され、同時に赤字であることが報じられたのだ。メディアによっては「すでに債務超過に陥っている」と伝えたところもあった。

gift_dress_ma

幻冬舎は雑誌「ドレス」を発行する子会社giftの株式81.5%を5090万円で、決済代行業や旅行事業などを手がけるパスに売却する。12月26日付で株式を譲渡する。

giftの2014年3月期の売上高は6億5000万円、営業損益は3億4400万円の赤字、純損益は3億4200万円の赤字と苦戦していた。

http://www.wwdjapan.com/business/2014/12/12/00014751.html

3億4200万円もの赤字の状態で会社を売却するということは黒字に転換する見込みすらなく、手放すしかなかったということか。なお、買収した側のパス株式会社についてはEC事業に乗り出す予定だったため、相乗効果を狙っていたようだ。

こうしてドリームチームはあっけなく解散した。現在の会社概要欄はこちら。

商号: 株式会社 gift(gift inc.) 
事業内容: 雑誌「DRESS」の編集・出版 

最高顧問 見城徹 
代表取締役会長 柴田励司 
代表取締役社長 山本由樹

http://g-gift.jp/gaiyo.html

幻冬舎(見城徹)については引き継ぎのために現在も株式を10%保有しており、今もメンバーに残っている。ただ、いずれは身を引くものと思われる。

さらにその後の2015年5月、買収サイドのパス株式会社はgiftの株式を売却して特別損失を出したというリリースを出した。経営不振は続いているようだ。

pass_gift

このご時世、わざわざ右肩下がりの雑誌に新規参入し、しかもニッチな領域を狙ったのがまずかった。大物たちが集まっても必ずしもうまくいくわけではないと経営の難しさを思い知らされる事例だ。ビジネスというのは決して成功した者が勝ち続ける世界ではない。常にその瞬間瞬間に強い者が成り上がり、少しでも弱ったものは一瞬で淘汰される厳しい世界なのだ。

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