人事課からゴミが送られてきた→ライフネット生命・岩瀬大輔「宴会芸は死ぬ気でやれ」
netgeek 2018年7月4日
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自称「40万人が読んだ仕事の教科書」
この本はライフネット生命の岩瀬大輔社長が書いた本だ。タイトルはなかなか良いと思う。新社会人にとってニーズがある内容であるし、教科書という表現も面白い。
しかし中身はとんでもない内容だ。「宴会芸は死ぬ気でやれ。絶対に手を抜くな」「宴会芸は仕事と一緒」「キャリアアップのためには自分を磨くことが大切です」
出典:https://twitter.com/J_Bearz/status/1014062383453442048
投稿した男性は「こんなものを送ってくるならエナジードリンク数本の差し入れのほうがやる気出る」と一言。おそらく人事課としては本の内容に大変共感し、新入社員にも実践してもらいたいと思ったのだろう。
しかし、こんな本業と関係ないところで無駄な精神論を求めるのであれば会社自体に失望してしまう。日本企業は新入社員がすぐ辞めてしまうと嘆く前にまずは宴会芸をなくすなど根本的なところで努力をしてはどうか。それこそが人事の仕事であろう。
岩瀬大輔氏は非常にエリートな経歴として有名。
開成高校
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東京大学法学部
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在学中に司法試験に合格
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ボストン・コンサルティング・グループ
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リップルウッド・ホールディングス
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ハーバード大学(MBA)
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出口治明とともにライフネット生命保険を設立し副社長に
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ライフネット生命・代表取締役社長
経歴だけみれば文句なし。しかし、実際の経営者に求められる能力は学校の勉強や口だけコンサルとは違うわけで、ライフネット生命の経営成績は芳しくない。上場時は「ネット生保」という切り口と岩瀬大輔氏の上手なプレゼンで期待が集まったものの、蓋を開けてみれば株価は右肩下がり。
上場時と比べて株価は半減した。ネット証券には「PCですぐに取引ができる」「担当者をつけないので手数料が安い」というメリットがあったが、ネット生保はどうだろう?申込みこそ簡単なのかもしれないが、規模が小さいとすぐに潰れるのではないかと不安になってしまう。
そもそも保険に入る人はリスクを嫌っているのであり、皮肉にもライフネット生命こそがリスクの塊であるということに間違いはないだろう。
入社1年目の教科書はメルカリで投げ売り状態。
出典:https://twitter.com/tikidunpon/status/1014159651691118592
ずっと本棚に置いておきたい本ではないということだろう。岩瀬大輔氏の経営センスの無さについてはnetgeekで過去、何度か記事にしたことがある。
2014年の記事:ライフネット生命の岩瀬大輔COO「新入社員は30分前に出社して新聞を読め」に疑問の声
2015年の記事:【炎上】ライフネット生命の岩瀬大輔社長「インターンさせてほしいって言ってきた学生に名刺のExcel入力の仕事をあげたら2週間で辞めやがった。単純作業でも楽しめよ」
岩瀬大輔氏は自分が非合理的な行動をとって周囲にも強要しているにもかかわらず、それが認められず、理屈をこねくり回して周囲が間違っていると論破しようとする。いつもこの行動パターンだ。おそらくエリートな経歴なだけにプライドが高いのだろう。
そうではなく、ベンチャービジネスで成功する人はむしろ自分は間違っているかもしれないという心構えで、色々なやり方を模索していき、たくさんの失敗を重ねてようやく成功に辿り着くという人が多い。
学校の勉強ができる秀才タイプは事前に決めた計画通りやろうとしてなかなか軌道修正ができない。まだベストプラクティスが固まっていないベンチャーの世界では軌道修正こそが大事なのだ。
入社1年目の新入社員に説教している暇があったら自分自身が新入社員の気持ちで学び直してはどうか。ターゲット層に「ゴミ」と言われたのだから真摯に受け止めて改善に繋げるべきだと思う。
見たところメルカリに出品すると300~400円くらいは儲かりそうだから、新入社員としては「人事課は間接的にエナジードリンクを渡してくれたのだ」と解釈しておけばいい。