ピースボート誤報で謝罪した産経新聞、受け取った抗議文までアクセス稼ぎに利用して惨軽新聞
netgeek 2016年6月17日
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前回の記事: 【炎上】テレ朝とTBSの街頭インタビューでやらせ疑惑が浮上
何があったのか、順を追って紹介しよう。
問題になったのは「ピースボートスタッフに酷似していた?!」とタイトルに入った煽り記事(削除済み)。
魚拓あり。
記事ではテレビ局にやらせ疑惑が浮上したことに触れたうえで、あくまでネット上の不確かな噂であった「ピースボートの女性スタッフに似ているような気がする」という情報にまで言及していた。画像をよくよく調べれば輪郭、鼻の形等、顔は全然似ていないのに、「酷似していた」と書いているところが悪意を感じる。
これに抗議したのはピースボートのスタッフである大畑惣一郎氏。事実無根でただの勘違いだと訴えかけた。
▼時間に注目。電話で抗議したのは午前11時。これで削除・訂正・謝罪待ちの状態。
▼なぜか約1時間経った11:57になっても変化なし。大畑惣一郎氏は再度抗議の電話をした。
ピースボートのスタッフが無関係と言っており、別人ということは画像でも確認できる(ピースボートの女性スタッフは年齢も20代ではない)のに産経新聞のスタッフは何をしているのか。どうして1時間も音沙汰がないのだろう…。
と、そのとき!netgeek編集部は産経ニュースに信じられない記事がアップされたのを目にした!なんだこれは!!!
一般社団法人ピースボート災害ボランティアセンターは17日、産経ニュースが報じた記事「TBS番組『街の声』の20代女性が被災地リポートしたピースボートスタッフに酷似していた?!」に対して抗議文を寄せた。ピースボート災害ボランティアセンターによると、被災地リポートした女性スタッフは、5月から現在に至るまで熊本で災害ボランティア活動をしており、6月15日の報道当日に東京で街頭インタビューに応じられるわけがないとしている。
抗議文は以下の通り。(中略)
当団体としても、このたびの記事に対して、記事を書いた記者および御社編集部に対して強く抗議するとともに、即刻の謝罪と訂正記事の掲載を求めます。また、本件に関して、本日中に文書による御社からのご回答を求めます。
一般社団法人ピースボート災害ボランティアセンター代表理事 山本隆
http://www.sankei.com/affairs/news/160617/afr1606170010-n1.html
こちらは抗議文が届いたということを紹介し、受け取った文面を丸々載せるという意味不明な記事。肝心の産経サイドの反論あるいは謝罪は何も書かれておらず、ただアクセス数稼ぎのために公開したという印象を受ける。事実、ピースボート誤認をめぐる記事についてはアクセス数ランキングにランクインしていた。この記事がアップされたのが12:04で、その後いくら待てども産経側は意見を表明しない。記事の削除も謝罪も反論もせず、明らかに無駄に時間を引き延ばしていた。
そしてようやく謝罪文が掲載されたのは15:49のことだった。
当該記事は6月16日にインターネット上で話題になっていた事象を記事化したものです。ご指摘通り、記事化する際、TBSおよびテレビ朝日に取材するだけでなく、貴団体にも取材すべきだったにもかかわらず、これを怠っておりました。 貴団体およびスタッフに多大なご迷惑をおかけしましたことをお詫びいたします。 取り急ぎ、当該記事は産経ニュースおよび関連サイトから削除しました。
http://www.sankei.com/life/news/160617/lif1606170019-n1.html
ピースボートがとりわけ抗議したのは「なぜ事前に取材し、事実確認をしなかったのか」という点。電話一本、あるいは短いメールで確認さえしていれば無実のスタッフが疑われて騒ぎになることはなかったのだ。記事の削除と謝罪をやけにじらす産経は裏で何か大きな反論でも用意しているのかと思いきや、最後はあっけなかった。
この件についてピースボートは、「熊本でボランティアに励む女性スタッフが産経新聞の誤解に誘導する記事でひどく傷ついた。ネット上で拡散されてしまった情報は誤りであっても消すのが難しい。再発防止策を講じてほしい」という趣旨のコメントを発表している。
ちなみに最近の産経新聞の報道の質がおかしい理由については業績が右肩下がりでひどく悪く、リストラを断行したら取材する余裕がなくなったため、やむを得ずネットを見ながら記事を書くしかなくなったという話を耳にしたことがある。
▼新聞の発行部数と広告収入は完全な右肩下がりでお先真っ暗。※データは2013年までのもの。
確かに今回の記事は執筆するにあたってウェブ上でだけ完結した記事だ。今の産経新聞は記事によってはまとめサイトレベルに成り下がっているのかもしれない。いっそのこと開き直って「2ch産経速報www」というまとめブログを開設してはどうか。もしガセ情報をまとめてしまったら「2ちゃんねるのデマに気をつけてください!」などと言っておけばいい。
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