ドナルド・トランプが安倍総理を「殺人者」と表現したのはテレビ局の誤訳。killerはすごいやつという意味
netgeek 2016年11月11日
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しかし、マスコミの翻訳力は意外と貧弱で誤った事実が伝えられている。
日本のテレビ局は、トランプ氏が安倍総理について「killer」と表現したことを受け、これを「殺人者」として翻訳し悪意ある発言だと紹介した。しかし、これは明らかに誤訳だ。そもそも安倍総理の貿易外交について褒める発言内容なのに「殺人者」という表現が出てくるのはおかしい。
新英和中辞典(研究社 )によると、口語のkillerには「驚異的なもの、すごいもの、すばらしいもの」という意味があると書かれている。日本でもよく耳にする「キラータイトル」「キラーパス」という言葉はこちらの意味で使われている事例だ。
トランプ氏の発言を英語で確認してみよう。
“And she’s dealing with a killer named Abe (Japan’s prime minister), who really has done a great job, by the way, devaluing the hell out of the yen, out their currency.
「彼女は安倍というkiller、すごい仕事をやったやつと取引している」という表現だ。ここでのkillerの意味はポジティブに褒める内容ということは自明であろう。シリアルキラーなどのキラーの意味とは全く違う。
事実、トランプ氏は安倍総理の政治手腕を高く評価している。
アメリカとしては手強い敵なので国民の支持を得るためにリップ・サービスで皮肉めいたことを言っているが、現時点では友好な関係が築ければよしといったところ。安倍総理はすでに電話会談を済ませており、今後についての話し合いはうまく着地させることができた。
トランプ氏は毒舌キャラなので場を盛り上げるために適当なことを言って後からひっくり返す癖があると言われている。
▼日本から在日米軍を撤退させるかもしれないという発言。
▼180度ひっくり返して防衛を続けると発言。これらの矛盾についてトランプ氏は「そもそもマスコミの報道は嘘、デタラメ」と主張している。発言の一部を切り取られると誤解を与えるということもあるかもしれない。
▼そして安倍総理との電話会談では今まで通り日米同盟は必要だという結論で終わった。
トランプ氏が当選した直後は世界の政治がめちゃくちゃになってしまうのではないかと騒がれたのものの、当選後のトランプ氏は非常に冷静で思慮深い言行を見せていた。意外と悪影響はないのかもしれない。
日経平均株価、直近1週間の動き。
トランプ氏当選後に1,000円も下落した日経平均株価はその後すぐに回復に向かい、むしろ元の値より上昇した。トランプ氏はマスコミの恣意的な報道に強く抗議している。今回の日本のテレビ局の誤訳もそのうちの一つに入るのではないだろうか。「殺人者」と「すごいやつ」とでは全く意味が違う。
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