「イギリス国民が世界恐慌を起こしてでもEU離脱を希望した理由」 イギリス在住のめいろま氏が語る分かりやすい解説
netgeek 2016年6月24日
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端的にまとめれば、経済が豊かなイギリスにEU域内の人たちが来すぎて日常生活が極度に不便になっているから。
イギリスの庶民的には、なぜEUを脱出したいかというと、EUから人が山の様に来てしまって、病院や電車が混む上に、学校の教室が足りないから。年に18万人も来る。そして帰らない。ビザいらないので。ブルガリアとルーマニアからは年に5万人も来る。月収5万円ぐらいの国だから皆イギリスに来たい
— めいろま (@May_Roma) June 24, 2016
EUでは加盟国を同一の国とみなし、ビザなしで自由に行き来できる仕組みを整えた。これにより経済が活性化すると思われたのだが、実際は賃金の低い国から高い国に大移動が起きることに。当然ながらもともとイギリスに住んでいた人は生活が不便になったと不満を漏らす。
▼めいろま氏自身もイギリスに移住した移民。それゆえ状況を詳しく把握している。
私はビザをちゃんととって納税してきた移民で専門職なので、失業者や納税しない移民とは違います。RT @beawareafter311: @May_Roma うーん、でも、めいろまさんご自身も移民ですよね。自分はOKだけれど、他の移民は厄介かもという論調にならぬよう注意では…?
— めいろま (@May_Roma) June 24, 2016
それでは、より詳しい解説を一気にみていってみよう。
イギリスの庶民的には、ガイジンが増えるから困るというよりも、「人」が増えて色々困っているというのが正直な感想。ここの人達はガイジンには慣れているし寛容。ただEUからこんなに人が来るとは誰も予想してなかった。政府の予測は大外れだった。自治体が耐え切れない状態になっている。
— めいろま (@May_Roma) June 24, 2016
日本の人は知らないと思うのだけど、EUの人がイギリスに移り住んだ場合、税金一円も払ってなくても医療費も学校も無料。通訳まで付けてもらえる。病院は年間予算が決まっているから沢山治療しても予算が増えるわけではない。学校も同じ。人が増えれば増えるほど苦しくなる仕組み。
— めいろま (@May_Roma) June 24, 2016
そしてイギリス庶民が最も恐れているのは、トルコがEUに加盟すること。加盟したらトルコ人もイギリスに自由にこれるようになるんですが、月収6万円の国で、あそこにはシリア難民も大量にいる。トルコは人口も多いですから人が大量に来てしまう。しかもテロリストも混じっているかもしれない。
— めいろま (@May_Roma) June 24, 2016
EUから人が来る場合、EU市民なら誰でもイギリスに移住できるので、元犯罪者とか、テロリストの可能性がある人も入ってこれちゃうんです。しかも犯罪者を強制送還できない。EUの決まりがあるので。チェックが機能しません。加盟国(特に新規)には超いい加減な国も多いので庶民的には怖い。
— めいろま (@May_Roma) June 24, 2016
EU離脱を求めるのは年寄りのエゴというのとはちょっと違う。例えば子供がいる中流のサラリーマン。子供が病気になってもEUからの移民激増で病院のERは4時間待ち、公立は英語不明な外国人生徒が激増し授業が成り立たない上教室ギューギュー。不動産高騰で家買えない。中流も離脱したい
— めいろま (@May_Roma) June 24, 2016
イギリスがEUに残留し、トルコ、マケドニア、セルビアからも人が入ってきていたら、国内で暴動が起きていたかもしれません。。。外国人排斥じゃなくて、人が増えすぎて病院、学校、交通、住宅が対応できなくなってしまって。。。イギリス平均月収25万円、それらの国は4-6万円ですから大量に来る
— めいろま (@May_Roma) June 24, 2016
(再掲)イギリスEU離脱に関する補足情報。今回の離脱の最大の引き金はギリシャ金融危機と難民問題。イギリスへの移民は年に30万人、EUから18万人。EUからくる人はビザ不要、誰でも住めて医療費学校福祉無料。政府予測大外れで病院や学校がキャパオーバーで市民生活直撃で皆うんざり
— めいろま (@May_Roma) June 24, 2016
イギリス病院キャパオーバーの事例。ER待ち時間は4-7時間。EUからの移民激増で誰でも治療無料の国立病院患者激増で検査は数カ月待ち当たり前。人で不足で手術キャンセル日常。小児科病棟でも1歳にレンジでチンの冷凍食品。出産退院一日。昔は一週間入院。外国人には税金で通訳つける
— めいろま (@May_Roma) June 24, 2016
移民激増のイギリス。年に24万の新築住宅必要だが人増え過ぎで年に17万件しか建てられない。住宅不足で持ち家も賃貸も値段激増。公営住宅は順番待ち。ロンドン郊外給料半分以上家賃。新卒若者中古1DK購入頭金貯めるのに24年労働必要。需要激増で供給追いつかない。だからEU離脱希望多数
— めいろま (@May_Roma) June 24, 2016
EU加盟国。スペイン、イタリア、ギリシャは若者ひどい失業率。大人も仕事なし。新規加盟東欧諸国、月収4-6万円、田舎は現金収入月5千円とかのレベル。それらの国からイギリスへ稼ぎに来る。最低賃金でも月収25万。英語通じる上ガイジンにオープン。言葉分からないドイツやフランスに行かない
— めいろま (@May_Roma) June 24, 2016
イギリスで実際に起こって庶民が激怒した件。ルーマニアのマフィアがイギリスで子供手当をもらってルーマニアに送金。EU国籍さえあれば福祉が受けられるので子ども手当も受けられた。ルーマニアど田舎では大変な金額。これは大変な問題になった。
— めいろま (@May_Roma) June 24, 2016
本当に分かりやすい解説でありがたい。実際にイギリスに住んでいるからこそ把握している病院や学校の問題はめいろま氏ならではといったところ。直接的には無関係とはいえ、経済面で影響を受ける日本としてはいまひとつイギリス国民が何を考えているかが理解できなかった。それがようやく腹落ちしたという感覚だ。
また、より読み応えのある解説についてはめいろま氏が執筆した記事「イギリスがEU離脱した理由」を一読あれ。現地の事情が手に取るように分かる力作だ。
世界に不況を巻き起こしてでもEUを離脱した理由。それは自身や家族の生活のためだった。
背に腹は代えられない。かつては画期的な仕組みだと絶賛されたEUもここにきて整合性が取れずボロが出始めている。詰んだ状態に陥ったイギリスは今、緊急打開策としてこの一手をとることで再び豊かな暮らしを取り戻そうとしている。
【追記】
スコットランドのニコラ・スタージョン首相が、同地域ではEU残留派が多かったことを受けてイギリスからの独立をにおわせる発言をした。スコットランドの人たちの民意を受け止め、今後はさらに独立して政治を行ったほうがよいという考えだ。
イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドから成る連合王国が分裂しようとしている。まだ一波乱ありそうなので目が離せない。
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