リブセンス VS 京都の設計会社で訴訟対決 口コミサイトに書き込まれた企業の悪口は許されるのか
netgeek 2016年5月2日
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転職会議は誰でも簡単に企業の内部事情が調べられる便利なサイト。
▼試しに「建築」で検索してみたところ、分かりやすい5つ星評価と口コミ数が表示された。
▼会社を選ぶと年収や会社の将来性などがチャートレーダーで表示され、一目瞭然。実際に書き込まれた口コミはリアリティが溢れており、読んでいて面白い。
詳しい口コミについては無料の会員登録をすれば誰でも閲覧することができるようになっている。今回問題になったのは京都府の設計会社に対して書き込まれた「取締役の夫婦は性格が悪い」「残業手当がつかない」という口コミ。会社側はこれを事実無根で名誉毀損にあたるとしてリブセンスに削除を求めたうえで、さらにIPアドレスなどの情報開示を求めた。
しかし、リブセンスはこれを拒否。その結果、訴訟になった。
リブセンスといえば村上太一社長がいつも笑っている朗らかな性格ということもあり、株価がひどく落ち込んだときでも同社を応援する声が多く聞かれていた。ネット上で叩かれない珍しい会社だ。
そのような会社に対する前向きな印象もあり、今回のごたごたについては「ユーザーを守るために情報を開示しないと腹をくくったリブセンスは偉い」「戦うべき」「圧力に屈してすぐ消すのかと思った。強気でいいね」とリブセンス側を褒める声が多い。
今後の裁判では、書き込みが名誉毀損にあたるかどうかは公共性があるかどうかが焦点になるだろう。
企業内部が本当にブラックな環境にあり、労働者がその会社を避けることで十分な利益を得ることができるなら公共性があると認められるはずだ。ただし今回の一件、利用者としてはネット上の書き込みは決して匿名ではないということを意識して今後気をつけたいものだ。もしリブセンスが圧力に屈していれば書き込んだ従業員(もしくは元従業員)は即座に特定されていた。
株式会社リブセンス、過去5年間の株価推移。
アルバイト求人サイト「ジョブセンス」における過度なSEO対策でGoogleから検索順位を落とされてから、株価は低迷しており、なかなか明るい兆しがみえない。
それでもまだ若い村上太一社長は有望な事業に目をつけて粘り強く経営を続けていくことだろう。さて、今後は訴訟の行方に注目していきたい。もしリブセンスが負ければ各企業が相次いで訴訟を起こす可能性があるからだ。過去に口コミサイトに悪口を書き込んだことがある人は絶対に注目すべき裁判となる。