東芝の不適切会計が起きたメカニズムが解明されて堀江貴文が物凄く説得力のある経験者談を披露
netgeek 2015年7月16日|
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まずは朝日新聞が報じた佐々木則夫副会長（６６）が目標利益を達成するために「工夫しろ」と指示したという記事をご覧頂きたい。
当時社長だった佐々木則夫副会長（６６）が、予定通りの利益を上げられない部署に、会議の場やメールで「工夫しろ」と指示していたことが、９日、関係者の話でわかった。この発言が利益の水増しや損失隠しを引き起こしたとみている。
聴取を受けた社員らは、発言を「会計を操作しろ」という趣旨だと受け止めたと話しているという。田中社長の責任も厳しく問われそうだ。
この記事はビジネス系ニュースアプリNewsPicksで取り上げられ、大きな話題を呼んだ。おそらく、佐々木副会長は健全な経営努力で目標を達成するようにという意味で「工夫しろ」と命じたはずなのに、部下は勘違いし、さらにはマスコミにも言質を取られて主犯にされてしまったのだ。
さらに田中久雄社長についても、メールと電話で圧力をかけたと報じられている。
芝の不適切な会計処理を巡る問題で、田中久雄社長が同社幹部などに対し、業績改善を強く促すメールや電話をしていたことが１０日、分かった。田中社長は各事業を取り仕切る幹部などに対し、早朝に電話をかけて「何で予算を達成できないんだ」と迫ったり、メールで「売上高をもう少し上げろ」「利益を早く上げろ」などと要求したりすることがあったという。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150710-00000045-mai-bus_all
東芝の2009年3月期の営業損益は約2500億円の赤字だったため、当時は経営上層部が下にプレッシャーをかけざるを得ない状況だったわけだ。もっとも「売上を上げろ」、「利益を上げろ」と言うのは経営者として当たり前のことなのだが…。
よく似た構図の事件はライブドアでも起きたことがある。当時、社長だった堀江貴文氏は決して粉飾を指示したわけではないのに、部下がやった全責任を首謀者としてとらされる形となった。当時から、そして今もなお堀江貴文氏は自分は無罪だと主張している。
さてNewsPicksでは、この記事を目にしたホリエモンが実に重い言葉を残した。粉飾は単なるコミュニケーションミスで起きるものだったのだ。
部下はどうしても達成できない目標を上司から「やれ」と言われると、「どんな手を使ってでもやれ」と命令されたと勘違いして不正に手を染めてしまう。だからこそ、上司はサポートの一言をかけておく必要があるとホリエモンは警鐘を鳴らす。この一言で部下の間違った行動を防げるばかりか、自分が有罪になるのを避けることができるのだ。
このコメントには、転んで痛い目にあったホリエモンだからこそ持ちうる説得力だと多くの投票が寄せられた。
また以前netgeekでもとりあげたように、ライブドア事件については当時の熊谷史人副社長が事件を振り返り、「誰も悪いことをするつもりはなかった」と発言している。
参考：ライブドア事件から10年経った今、熊谷史人元副社長が真実を語った。「堀江さんも俺も会計の素人なんだから監査法人のOKサインを信じるに決まってるじゃん！」
▼ライブドアを担当していた港陽監査法人は「会計処理に問題なし」ということでハンコを押していた。
▼会計の専門家ではないライブドア経営陣は監査法人のOKサインを信じるに決まっている。
▼会社の中の実情はこうなっている。
こうして知らず知らずのうちに「経営努力で工夫したはずの会計数値」が突然事件になる。マスコミに大きく取り上げられ始めてから自分が取り返しのつかない大罪を犯してしまったのではないかと罪悪感を感じるようになるというわけだ。
Twitterでは教訓として、上司は仕事のやり方に気をつけないといけないというツイートが投稿された。
人によって解釈が分かれる曖昧な指示は禁物。事件になってからいくら説明をしても言い訳にしか受け止めてもらえない。