「新入社員がExcelのマクロを使ってズルしてた!ちゃんと苦労しろよ」←は?
netgeek 2017年11月23日
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「マクロでズルするな!最初からやり直せ!」
参考:自分でマクロを組んで仕事をする新入社員(Yahoo知恵袋)
大手電機メーカーに勤める社員のとんでもない方針に唖然としてしまう。いわゆる釣りの投稿である可能性もあるが、しかし、実際に仕事をしているとこのような考え方をする老害がいるのもまた事実。
技術の進歩でより効率的なやり方が生まれたにもかかわらず、老害は自分たちが苦労してきたからといって下の代にも同じ苦労を押し付けるのだ。
本来は資源の面で圧倒的に有利なはずの大手企業が、ベンチャー企業にシェアを奪われるのもこの不健全なカルチャーに原因があることが多い。ベンチャーがゼロベースで新しいやり方を導入するのに対し、大手企業は老害が古いやり方を続けようとするのだ。
長らく仕事を続けてきた者は価値基準が凝り固まっているから古いやり方のメリットと新しいやり方のデメリットを比較して古いやり方のほうが優れていると誤解してしまう。
新しいやり方を試せばこれまでになかった価値があるということに気づけるのに、学習能力がないばかりにベンチャーに遅れをとる。そして優秀な若手ほど早々に転職してしまうのだ。
同じように老害が「苦労しないのはずるい」と解釈してしまうエピソード。
老害おじさん「分からない時は図書館に行って調べれば本を買わなくてもいいから。俺は元素表から都道府県県庁所在地まで全部暗記してるぞ」
若者「OK Google」
老害「ズルい!お前も俺のように苦労しろ!これだから最近の若者は」
どうして「それ便利だな。俺にも教えてくれ」の一言が言えないのか
無意識のうちに自分のほうが立場が上だから自分のほうが正しいと思い込んでしまっている。社会人なら誰でもこのような理不尽な目にあったことがあるはずだ。
しかしながら中には優秀なトップがいる会社も。時期を同じくしてTwitterでは「うちの社長が言ってた『残業しないほうが良い理由』と『うちの会社の制度まとめ』」という投稿が絶賛されていた。
▼日本企業の多くで起きている現象が端的に解説されている。ちなみに社長いわく「10より多い仕事が割り振られている場合はマネジメントの失敗。これは管理職の責任」。
▼残業のプール(ストック)が8時間になったら欠勤可で残業を減らすインセンティブをつくっている。しかも残業代は出るという仕組み。
出典:https://twitter.com/charismascarlet/status/932825199036076032
もともと仕事が遅い人には例えば6だけ与えるなど、管理職が与える仕事を10より減らして調整する。ただし10の仕事をこなしている人にとって不公平にならないよう評価も下げる。これが本来あるべきマネジメントの姿であろう。
この制度に従えば冒頭の老害の評価は下がり、新入社員の評価が上がるというのは明白。いわば当たり前のことなのだが、残念ながら日本企業の多くは間違えている。その背景には労働時間と生産性が比例する時代が長らく続いたことに原因があるのだろう。
テクノロジーの発展により、時代は知的生産の段階に移り、労働時間と生産性が必ずしも比例しなくなった。老害たちはその事実に気づいていない。
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