森で鳴いていた子猫、サイクリストの体をよじ登って離れない
netgeek 2019年4月30日
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セリーヌと夫のダニエルはフランスのセントラルブリトニーをサイクリング中、道の端から大きな鳴き声が聞こえてくることに気がついた。話の全てはここから始まる。
偶然の出会い。
「近くに家がなく、とても静かな森の中を走っていました。するとワラビの茂みの中から大きな鳴き声が聞こえてきたのです」
セリーヌは当時のことを語る。
「はじめは鳥だと思いました。自転車を停めてどこから声がしているのか調べていると、可愛らしい小さな猫を見つけたのです」
猫は動揺して人間の近くにいたくないようだった。セリーヌはそっと近づいて優しく話しかけることで信頼を得ようとする。子猫は危害を加えられないと理解したようで真っ直ぐ歩み寄り、寄り添った。
「私から離れたくないようでした。体を登ってきて鳴くのです」
子猫を家に連れ帰ることに決める。
帰りの道は安全ではなかった。子猫を服の中に入れるも、じたばた動くし、家までは遠い。
なんとか帰宅した後、猫が家に馴染んでくれるよう望んだ。箱の入り口を壁側にして子猫の隠れ場所を作ってあげる。猫にはミニキティという名前をつけた。
それから数日間、ミニキティは食欲旺盛でセリーヌとダニエルの側にずっといた。安全で快適だと理解しているようだった。
「ミニキティは遊ぶのが大好きで、友好的で愛くるしい猫です」
毎朝、2人が起きると走って来て頭突きし、喉をゴロゴロ鳴らす。
まるで喉にゴロゴロと鳴るモーターが入っているようだ。
子供とも仲良し。
実は家には他にも犬と猫がいるが、ミニキティが一番年下。昼寝のときは犬の体をベッドにするのが日課だ。
ミニキティは家の雰囲気を明るくし、愛を感染させた。
1年が経つともはやミニキティはミニではなくなった。
しかし今でも寄り添って眠る習慣は変わらない。あのとき大きな声で鳴いたのはきっと助けを求めていたのだろう。