伊藤俊幸「田母神俊雄のレーダー解説は間違い。10年前に引退した人の知識ですし」
netgeek 2019年1月7日
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10年前に引退した私人だから…。
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— netgeek (@netgeek_0915) January 7, 2019
伊藤俊幸氏は海上自衛隊で潜水艦艦長を務め、現在は金沢工業大学大学院で教授を務める人物。話を簡潔にまとめてみた。
・田母神俊雄氏の「レーダー照射はよくあること」は間違い
・田母神俊雄氏は今はただの私人
・10年前の人なので今のことは知らない
・レーダー照射のロックオンは攻撃の前段階なので危険
・海軍では「誤解されて戦争に発展するので絶対にやってはいけない」という常識
・その常識を破った韓国はとんでもないことをしでかした
田母神俊雄氏の知識が古くなっているので参考にならないというのは意外な事実だ。言われてみればそうなのだが、有識者の意見として信頼している人が多かった。
ここで改めて田母神俊雄氏が当時いち早くTwitterに投稿した解説を見てみよう。
今になってみれば前提条件がかなり間違えられていることが分かる。
韓国艦艇が海自対潜哨戒機に火器管制レーダーを照射したことで日本政府が危険だということで韓国に抗議したという。全く危険ではない。火器管制レーダーは近年フェーズドアレイ方式で常時ほぼ全周に電波を出し続けている。だから周辺にいる航空機などには電波照射が行われてしまう。(続く)
— 田母神俊雄 (@toshio_tamogami) December 21, 2018
韓国艦艇は海自の対潜哨戒機だけを狙って電波照射したのではないと思う。周辺にほかの航空機がいればそれらも電波照射を受けている。しかしミサイルが発射されるには艦艇内の複数部署で同時に安全装置を外す必要がある。だから火器管制レーダーの電波照射が即危険だということにはならない。
— 田母神俊雄 (@toshio_tamogami) December 21, 2018
各国の軍が訓練で火器管制レーダーの電波を空間に照射する。そして軍用機はレーダー警戒装置を持っているから電波照射を受けるとロックオンされた警報音が出る。戦時であれば直ちにチャフやフレアをまいてロックオンを外そうとする。平時は突然ミサイルが飛んでくることはないから大騒ぎしなくてよい。
— 田母神俊雄 (@toshio_tamogami) December 21, 2018
火器管制レーダーの電波照射について私は韓国を弁護しているわけではない。訓練で世界中の軍が毎日火器管制レーダーの電波を発している。電波を照射しなければ訓練が出来ない。各国ともミサイルは発射されないようにしながら電波照射だけを行っている。
— 田母神俊雄 (@toshio_tamogami) December 21, 2018
田母神俊雄氏は「訓練で照射されただけ」という前提で危険性はないと主張している。だが、後の韓国の言い分によると訓練中ではなく、北朝鮮の漁船を救出中だったとのこと。
当然のことながら田母神俊雄氏のツイートには反論が殺到した。そして翌日、なぜか田母神俊雄氏はこれ以上は語らないと宣言した。
今回の韓国の火器管制レーダーの電波照射について今以上に詳しく話すと自衛隊や日本政府に迷惑をかけることになるかもしれないのでこれ以上は言わない。今回ぐらいのことは世界中の軍が日常的にやっていることであり、電波照射をしてもミサイルが直ちに飛んでいかないような安全装置もかけられている。
— 田母神俊雄 (@toshio_tamogami) December 23, 2018
誰に聞かれるでもなく自分から意気揚々と解説していたのに、急に沈黙してしまうのはなぜだろう…。
伊藤俊幸氏が「(田母神俊雄氏の解説は)間違いです」「嘘です」と断言した理由が分かる。
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