五味太郎「学校教育の感想文は気持ち悪い。間違っている」
netgeek 2017年3月2日
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五味太郎氏の書籍「大人問題」から。
出典:https://twitter.com/RTX_008L/status/836598707348918276
画像が見にくいかもしれないので内容を簡潔にまとめておく。
(1)雨が降ってお母さんたちが傘を届けに来てくれる。私のお母さんは仕事で来られない。私は『お母さんが頑張っているんだから私も頑張ろう』と思って友だちの傘に入れてもらって帰りました。
(2)これはテスト教材にあった文章だ。問題は「この文章を読んで50字以内で感想文を書きなさい」
(3)ある生徒は「別に。」とだけ書いた。
(4)教材についていた模範解答は「我慢したことに感動した」とか「優しい友だちに感動した」とかで五味太郎氏は「大人用の答えを模索している。気持ち悪い」と思った。
感想文といえば何を書いていいか分からず非常に苦労したという思い出を語る人が多い。算数のように何か正解があるわけではなく、何を書いてもいいという自由さが思考を停止させる。しかし、これがもし感想文という形ではなく、友だちとの会話だったらどうだろう?
上記の傘のエピソードでいえば、子どもたちはもっと率直に感想を言い合うはずだ。それが学校で机に向かって書く形式になると途端に書けなくなるのはまさに大人用の答えを模索することを強要されているからに違いない。そう教え込んだのは大人たちの学校教育だ。
▼五味太郎氏。
絵本という創造性を育む仕事をする五味太郎氏は日本の教育のあり方に真っ向から異議を唱えた。
書籍「大人問題」は「子どもにとって大人は有害だ」と断言する本だ。
出る杭は打たれるということわざがある。まさに日本の悪しき習慣を象徴するかのような言葉で、そのような価値観をつくっているのは学校教育なのではないか。海外に比べてなぜ日本人は没個性的なのか。感想文に「別に。」と書いた生徒は決して間違っていない。これこそ本物の感想文だ。
これより前に話題になった教師の投稿も紹介しておきたい。
出典:https://twitter.com/manami19640720/status/822944091088429056/photo/1
クラスメイトと遊ぶよりも本を読むのが好きだった生徒を全否定し、友だちをつくって遊ぶべきだと主張する内容だ。教師自身の価値観が正しいという前提でそれを子供にも当てはめようとしている。「友だちが多い子はいい子」と言われがちだが、一方で内向的で読書が好きな子が褒められることは少ない。
生徒は先生を選べない。先生は無理に友だちを作らせようとするのではなく、趣味を理解しようと努めるべきだったのではないだろうか。
五味太郎氏は「大人は子どものサポーターであるべきだ」と主張する。「とんでもない新人がやってきた」「このルーキーはこれからどう成長するのかな」とワクワクした気持ちでサポートしてあげるのが理想的な大人だ。
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