側溝に落ちたカエルの命を助けよ!小6の女の子が考案した「お助けシュロの糸」に学者たちが大注目
netgeek 2016年9月11日
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小学3年生のときに側溝に落ちたカエルが這い上がれずに流されたり、そのまま死んだりしてしまうのを目の当たりにした藤原結菜さん。人間がつくりだしたコンクリートの側溝でカエルが犠牲になるのは理不尽と直感で捉えた。
なんとか解決できないものかと考え、長年の研究でついに画期的なアイデアを実行に移すことに…。
方法は実に簡単。シュロの木の繊維を束ねたものを側溝に垂らすだけ。たったこれだけでカエルが這い上がれるようになり、生態系を救うことができるのだ。
ここに至るまでは地道な研究があった。
(1)まず調べたのは「カエルのジャンプ力では側溝から抜け出せないのか?」という点。大半のカエルは30cm以上の高さになると抜け出せない。
(2)吸盤のある小型のカエルはコンクリートに張り付いてよじ登ることができるが、水流に流されるという弱点がある。また、乾いたコンクリートに体の水分が奪われてそのまま死んでしまうことも。
(3)実際に側溝を調べたところ、1mあたり5匹ほど落ちていた。地道な手作業で合計120匹を救出した。
(4)カエルを助けたいと思った藤原結菜さんは側溝にスロープを取り付けることを考案。だが、コスト面と手間も考慮すると現実的ではなかった。
(5)そこで考えたのがシュロという木の繊維。三つ編みにするという女の子らしい改良案を出した。カエルが登れるもので自然に悪影響がなく、またコスト面でもばっちり。
その後、藤原結菜さんはシュロの糸を設置し、実際にカエルが登れることを確認。現在は一匹でも多くのカエルの命を救うためにシュロの糸の普及活動をしている。小学生にしてはばっちりと理論的に考え、さらにフィールドワークまでしている点に注目。これは学者が注目するだけのことはある。
動画。
(1)公益財団法人日本自然保護協会がアップした発表会の様子。
(2)お助けシュロの糸の作り方。自然保護を目指す人は是非。
その後、この研究は日本自然保護大賞を受賞した。
人間の現代文明と自然生物の共存を成し遂げるため、頭を使って問題を解決したところは大人顔負け。カエルに対する愛が地球上の多くの命を救うことになった。カエルもこれで生きカエル。