【激震】広告をブロックできるiOS9のコンテンツブロッカー解禁で起きた7つの出来事
netgeek 2015年9月20日
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ウェブ上では今何が起きているのか。そしてこれから何が起きるのか。情報をまとめてみた。
1.コンテンツブロッカーはCrystalと1Blockerが人気。
左がCrystal(有料)で、右が1Blocker(無料)。Crystalは当初無料だったが、ダウンロードランキングで上位に入ったタイミングで有料に切り替わった。なお、コンテンツブロッカーは広告だけでなく、トラッキングやコメント欄などもブロックするよう設定することができる。
使い方はアプリをインストールしてiPhoneの設定→Safariでコンテンツブロッカーアプリをオンにするだけ。ブロック機能はChromeやアプリのブラウザには適用されない。
2.当然ながらコンテンツブロッカーの効果は抜群で、完全に広告がなかったことになってしまう。
▼人気サイトGigazineのタイトル下に入っている広告は…
▼完全に消えてしまった。
▼nanapiもnetgeekも消えるとのこと。
サイト運営者にしてみればこれはあまりにも悲しい。一部では、今後はウェブサイトは一斉に有料化に向かうという話もちらほらと聞かれる。
3.コンテンツブロッカーはGoogleのリスティング広告も消してしまうことが判明。
スティーブ・ジョブズやティム・クックなどのApple経営陣は以前からGoogleを「ユーザーの情報を集めて金儲けしている会社」と批判しており、またGoogleがアンドロイド事業に乗り出したときは「iPhoneを真似した」とジョブズが激怒したことがある(参考:書籍「スティーブ・ジョブズ」)。そのような過去があるからこそ今回Googleに喧嘩を売るようなことをしたのだろう。アドワーズ、アドセンスで儲けているGoogleにとって広告ブロック機能は死活問題だ。
また、Appleは代わりに自社の広告を入れるiAd(Apple Ad)ビジネスを始めるのではないかという噂もある。もしSafariが独自に広告を差しこむようになったら…。今後は訴訟合戦になるかもしれない。
4.広告ブロック機能はちくりを受けてどんどん進化していく。
現状ではマイナーなクリック課金型広告やアフィリエイトなどがブロックできていないという話もあるが、そこは抜かりない。例えばCrystalには通報機能が備わっていてブラックリストが更新されるようになっているのだ。
5.もちろんアフィリエイターは怒る。
しかし、ビジネスとはときに正義や論理ではなく力関係で決まるもの。Appleという時価総額世界一の企業が決めたことは業界のスタンダードとなり、いつの間にか誰も疑わない常識として流布するようになるのだ。
6.Crystalは汚いものを消してこの世を綺麗な世界にしてくれる神アプリのようだ。
なおnetgeekがコンテンツブロッカー対策としてわざと表示させないようにしたのではないかという見方もあったが、全く何もしていない。おそらく「ad」の文字が入ったタグで囲われた部分が消えてしまったのではないかと思われる。
▼大手ニュースサイトであるロケットニュースも真っ白になるという。
今後はCrystalが誤検知の改良を図って見られるようになるかもしれない。
7.これで最後。コンテンツブロッカーは導入が少し複雑だったのでウェブメディア運営者は助かった。
日本語版コンテンツブロッカーがないこと、Crystalの有料化も相まって、現状ではコンテンツブロッカーの利用者はさほど多くない印象だ。とはいえ、今後はAppleがさらなる締め付けを図ってくる恐れもあり、油断は禁物。サイト運営者としてはバナー広告でのマネタイズよりもネイティブアドや広告ありの独自アプリ、有料会員制に逃げるのが正しい方向性か。
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