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バイラルメディアはゴミなんだよ!その証拠にほらもう15サイトも更新停止してる

netgeek 2014年8月2日
 

コンピュータサイエンスの分野には「Garbage In, Garbage Out」という言葉がある。ゴミのような価値のないコードを入力すれば、結果もまたゴミが出てくるという意味だ。2014年突然巻き起こったバイラルメディア一大ブームは、あまりにも価値のない情報をインターネット上に拡散していないだろうか。実は海外では「バイラルメディア」という表現が使われることはなく、誰が名付けたかは定かではないが、ウイルスのようにSNSで拡散するという意味でこのような日本独特の呼ばれ方をするようになった。

しかし、全然バイラルしていないのにバイラルメディアというのには違和感がある。それでもまだバイラルメディアが生まれ初めてから数ヶ月しか経っていないので、長い目で見ようと思っていたが、現状は悲惨なことになっている。以前netgeek編集部では「バイラルメディアは2ちゃんねるまとめブログと同じで参入障壁が低く、誰でも簡単に始められるので、1人あたりの利益が極限まで薄くなる業界構造に出来上がっていく。その結果、大量参入・大量淘汰が繰り返されることになるだろう」と予想した。

大体半年を目安に考えていたが、すでに淘汰は始まったようだ。8月に入ったのを機にリスト化していたバイラルメディアを一つ一つ調査してみたところ、驚くことにすでに15サイトも更新停止に陥っていることが判明した。

更新停止に陥ったサイト一覧

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netgeekでは更新が止まっているサイトを最終更新日順でリスト化し以下にまとめてみた。中にはわけあって更新できていないだけで、そのうち復活するものもあるかもしれないので、その点は事前にご理解頂きたい。注目すべきはいくつか大手企業が運営していたサイトが含まれている点だ。サイト運営の難しさを思い知らされる。

【サイト名・最終更新日・サイト情報】

1.buzzlive。1/22。CyberTimes [シバタイムス]の柴田泰成が運営していたスポーツ動画紹介のバイラルメディア。
http://buzzlive.info/

2.Charming。2/5。かわいい動物や赤ちゃんなどサイト名通りチャーミングなコンテンツを紹介していた。
http://chrmng.com/

3.バスマン。2/12。動画紹介系。
http://bazuman.com/

4.あふれ.co。2/21。おもしろ吹き替え/アフレコ動画を紹介するサイトとして誕生したが、ネタが枯渇してしまったという印象。
http://afure.co/

5.buzzmode。3/8。動画紹介系。このテンプレってよく見るのでどこかで「バイラルメディア、スタートセット」のような形で売られているのだろうか?
http://buzzmode.jp/

6.Sports Hack。3/11。スポーツ動画紹介。
http://sportsonearth.lolipop.jp/myblog/

7.世界のすごい場所を調べるお。5/6。「インターネット界隈の事を調べるお」で有名な大柴貴紀(サムライインキュベート)が開設したサイト。ここはのんびりと、ネタが見つかり次第マイペースに続けていく方針かもしれない。
http://terribleplace.omaww.net/

8.dropout。5/30。家入一真が運営する社会派的なバイラルメディア。最終更新日は5/30になっているが、現在サイトの方針を議論中でいつか再開すると告知している。
http://dout.jp/

9.mixgirl。6/16。「一目惚れする女の子の動画メディア」をコンセプトに開設された動画系メディア。女の子ターゲットのバイラルメディアはほとんとなかったので、この方向性で長く続ければ芽が出たはずなのに残念。もしかして、女の子ウケするネタを毎日探すのが大変だったのだろうか。
http://mix-girl.com/

10.kensuu.com。6/16。nanapiの古川健介がtumblrで開設したバイラルメディア。nanapiがあるだけに、もともとそんなにやる気があったわけではない気がする。
http://kensuu.com/

11.もえばず。7/2。珍しいアニメ系バイラルメディア。
http://moebuzz.lolipop.jp/

12.Sharly。7/22。サイバーエージェント運営。10代をターゲットにしていたが、早々に見切りをつけて撤退。他に運営しているSpotlight、gamy、buzzhouse(サイバー出資の株式会社wavest運営)は生き残っている。
http://sharely.am/

13.いまどうが。7/27。東証マザーズ上場で資本金5億もあるトレンダーズ株式会社が運営するサイト。
http://www.imadouga.jp/

14.EQLAIR。8/29。サイバーエージェントがAmebaブログとの連携機能も使いながら運営するということで大変注目が集まっていたが、わずか数ヶ月で撤退。近いうちにサイト自体を消してしまうのだとか。
http://eqlair.jp/

15.Candle(キャンドル)。不明。他に運営しているサイトFestivalLifeに切り替えた模様。
http://c-dle.com/

こうして見ていくと誠に残念な限り。ネタ探しに疲れた、PVが伸びなかった、担当者が辞めてしまった、などなど更新停止にはそれそれ色々な事情があるのだろうが、今後もきっとこの大量参入・大量淘汰の傾向は続いていくのだろう。

日本語で運営する限り市場規模の小ささはどうしようもない

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海外ではBUZZFEEDやUPWORTHY、Distractifyといったサイトを筆頭に新しいメディアが次々と急成長しているのに、どうして日本ではうまくいっていないのだろうか。これには、サイトを英語で運営するか、日本語で運営するかが関係している可能性が高い。

英語の使用人口は約17.5億人もいるのに対して、日本語の使用人口は1億3000万ほどで市場規模に雲泥の差がある。どんなにPVを伸ばそうとも、日本語で運営している以上は英語媒体に敵うはずがないのだ。もちろん海外ではターゲット人口が増えると同時にライバルサイトの数も増えるのだけれど、頂点に立つサイトの成功度合いは桁外れとなる。海外サイトのPVと利益は絶対に日本では達成できない。

サイトは輸出できない

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これがトヨタやSONY(今はあまり適切な例ではないかもしれないが…)といったメーカーであれば、商品自体が海外にはないほど高性能なので英語の説明書をつけて少し宣伝すれば飛ぶように売れる。要するに海外の大きな市場に参入することが容易なのだ。しかし、ウェブサイトでは、輸出という方法がとれないので、どうしてもこのスケールの小さな日本でやっていくしかない。

個人的な予想としては日本でも10年運営すれば、年間5000万円~1億円は稼ぎだすサイトに成長させることができる可能性があると考えている。これは個人やベンチャー企業にとっては大金だが、大企業にとってはあまりにも要領の悪い商売なのではないか。日本ではバイラルメディアは子どもが遊ぶ程度のただの水たまりにしかすぎない。大企業はそのスケールを見誤らず海に出るべきであろう。

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