危険地帯フリージャーナリストからの買い取り、BBCとAFP通信は禁止。日本メディアも早く
netgeek 2018年11月5日
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マスコミはフリージャーナリストを下請けとして使っている。
まず現状の日本のマスコミは自社ではやらない危険な仕事をフリージャーナリストに任せ、過度なリスクを背負わせることで自らの安全を確保している。万が一捕まったときは日本政府に責任をなすりつけて対応を批判する。情報を売ってくれるフリージャーナリストとはまさにWin-Winの関係が成り立つから英雄扱いするのだ。
しかし、この買い取り制度こそがフリージャーナリストに過度なリスクを取らせてしまうインセンティブになっているのではないか。大義名分があるジャーナリストとはいえ、その実態は営利目的。安田純平もスクープをとって儲けたかったという気持ちがあったに違いない。
さて、ここで橋下徹が建設的な方向に議論を移すよう提案する。
https://t.co/6svTEv8J98
これで安田さんバッシングは終了。今後は危険地域への取材のあり方、対策へ議論はシフト。特に大手メディアがフリージャーナリストの安全を確保するルール、情報を適正価格で買うルールの確立へ。— 橋下徹 (@hashimoto_lo) 2018年11月2日
安田純平の失敗から学び、同じ過ちを繰り返さないために何をどう改革すればいいのか。一つの先行事例としてBBCの大井真理子レポーターが貴重な情報を提供してくれた。
なんとBBCではすでに危険地帯フリージャーナリストからの買い取りはしないルールがあるのだという。
BBCでは危険地域からフリージャーナリストのレポートは使わないルールです?シリアではイアン・パネル記者やダレン・コンウェイカメラマン、イエメンではオーラ・ゲリン記者、イラクではクエンティン・サマーヴィル記者など社員記者に元??兵などからなる「ハイリスクチーム」が同行し取材しています。 https://t.co/GU5lboBMH8
— Mariko Oi 大井真理子 (@BBCMarikoOi) November 2, 2018
その理由はスクープを追って身の安全を顧みずに取材に行くリスクがあるから。社員記者が3年起きに受ける危険地域トレーニングでは、防弾チョッキを着て走る練習、誘拐された時の交渉方法などを学びます。パルの被災地でも、被災者が暴徒化する可能性がゼロではなかったため、ハイリスクチームが同行。 https://t.co/20p6o5NJlB
— Mariko Oi 大井真理子 (@BBCMarikoOi) November 2, 2018
大井真理子レポーター自身も危険地域トレーニングに2回参加したことがあり、その言葉には確かな説得力がある。取材したい場合は自社内でプロのチームを組んでしっかりした体勢で臨む。これはフリージャーナリストにはできない、潤沢な資源がある組織だからこそできることだろう。
さらに調べたところ、AFP通信は2014年の時点で取材と買い取りを止めたことが分かった。
昨年の8月以来、私たちは、反体制派が支配している地域に記者を送ることはやめた。危険すぎるためだ。(中略)
反体制派が支配する地域では、外国人ジャーナリストはもはや地元住民の苦しみを外部に伝える目撃者としては歓迎されておらず、攻撃のターゲット、あるいは身代金のための「商品」として見られている。
そのため、AFPはフリーのジャーナリストが、私たちが足を踏み入れない地域で取材してきた素材を受けつけないことにした。これは明確な決定であり、周知するためにもここで念を押しておきたい。フリーの記者がシリアに行って取材してきた情報も写真も映像も、私たちは使わない。
フリーランスはシリア内戦で大きな犠牲を払ってきた。大きすぎる犠牲だ。そのようなリスクを背負おうとする彼らの背中を、私たちは押したくはない。
これまで日本政府はパスポートを取り上げるなどして対策を講じてきたが、そもそもフリージャーナリストの収入源を断つというのは非常に効果的な対策であるように思える。
フリージャーナリストにリスクを移転している日本のマスコミは先行事例に学び、買い取りを禁止すべきだろう。いつまでも安田純平を英雄扱いして誤魔化してはいけない。
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