「小中学生の宿題は効果なし」というのはデマ。クーパー教授の主張は正反対
netgeek 2018年1月21日
|
とんでもない誤訳をしたのは「週刊事実報道」というメディア。
出典:https://twitter.com/SYE8SxAPKOkiwWj/status/953992586674429952
週刊事実報道のキャッチフレーズは「大手マスコミが報道できない事実をお伝えします」。記事の内容は、デューク大学のハリス・クーパー教授(専門は脳神経学)の研究を参照し「小中学生の宿題は効果がないので禁止すべき。高校生は2時間以上の宿題は成績を下げる」と報じるもの。
だが、実際にクーパー教授の発表やアメリカメディアの報道を参照すると全く違う結論が伝えられていることが分かる。
参考:DUKE STUDY: HOMEWORK HELPS STUDENTS SUCCEED IN SCHOOL, AS LONG AS THERE ISN’T TOO MUCH
ハリス・クーパー教授の主張はこうだ。
・研究で得られた最終結論は「多すぎない宿題は効果的」
・宿題は学習の重要な一過程だ
・年齢が上がるほど宿題は効果的になる
・小学生に宿題を課すのは時間管理と勉強の習慣を身につけさせる意味合いのほうが強い
・小学生の宿題は少なめにするべきだ
つまりクーパー教授は宿題が教育に効果的であることを肯定的に認めているのだ。
またクーパー教授は別の発表で「宿題の量は学年×10分が目安になる」とも主張している。小学1年生ならば10分、6年生なら60分ということだ。
週刊事実報道がつけた「小中学生の宿題は効果なし」「宿題は禁止に値する」というタイトルはあまりにもミスリーディングで、研究内容を誤解しすぎている。さらに記事内の詳しい説明も最も重要なところが抜け落ちており、読者に誤解をあたえるものになっている。
▼Harris M. Cooper教授。
ネット上では記事を参照して誤解したまま「宿題不要論」の自説を展開する人が目立つ。とんでもない勘違いなのだということを知って欲しい。
【追記】
週刊事実報道のサイトをざっと見るとオカルト的な記事が目立つ。
運営は㈱ 類設計室(岡田淳三郎代表、資本金9,900万円)。教育、建築、農園、地所事業などと多角展開しているようだ。
Comments (11)