netgeek

10

「中高生の読解力ピンチ!中学生の43%が間違えた問題」に反論が相次ぐ

netgeek 2017年11月30日
 

学研が調査を行い新聞に掲載された読解力テストについて、実態は全く違うとテストを受けさせられた側の生徒たちがこぞって反論している。

2つの文章が同じ内容かどうか答える問題。

出典:https://twitter.com/ysaksmz/status/935363661094305792

新聞記事では、この問題は中学生の43%が間違えたショッキングな問題だとして「主語と述語の関係を見抜く理解力が不足している」と結論付けられている。文章自体は簡単なもので、小学校低学年の生徒ならともかく、中学生が間違えるとはにわかには信じがたい。

この新聞の画像は「中学生の43%がこれを間違えるってマジか…」という文章とともに1万以上もリツイートされ拡散された。やはり多くの人が意外な数字と受け取ったようだ。

だがその後、実際にテストを受けさせられた生徒を含め続々と反論が始まる。

反論を大まかに集約すると以下の通り。

・制限時間30秒で読みきれず、同じような簡単な問題を受けさせられ飽きてきた

・最後のほうは疲れてみんな適当に答えていた

・成績に関係ないのではじめから適当に答える生徒もいる

・読解力がないというより、真面目さと集中力を図るテストになっていた

・2択なのでとにかくどちらかを選んでおけば50%で当たる問題

・時間がなくなってから、まぐれ当たりを狙って残りの選択肢を塗りつぶすのはよくある手。そこで正答率を出しても意味はない

・読解力というより注意力。免許試験に出てくる問題に似ている

反論はもっともなものばかり。これが実態であろう。

そもそも一部の研究者は「今の子供たちは日頃からスマホでTwitterやInstagramなどのソーシャルメディアを使うので読解力と文章作成能力は昔より高くなっている」と見解を示す。

はっきり言ってしまえば、43%という正答率をそのまま額面通りに受け取って意気揚々と記事にした新聞記者のほうが読解力がない。「中高生の読解力ピンチ」という見出しは相当ミスリードであるように思える。

【追記】

Mさんから以下のクレームが届いた。記事を削除するつもりはないが公平性確保のために紹介しておく。

***

私は以下のnetgeek記事で言及されている読解力に関する研究に参加している研究者です. http://netgeek.biz/archives/107551

当該のnetgeek記事では実際のテストの設定とは異なることが事実として述べられています.また,テストを実施した機関は報道等では公開していないため, 記事中でまとめられている 「実際にテストを受けさせられた生徒たち」の反論は SNSほかネット上での情報に基づくものと思われます.しかし,私はネット上での当該研究に対するご意見はかなり捕捉しているつもりですが,netgeek記事でまとめとして述べられているような発言をこれまで見かけた記憶はありません.

事実と異なる情報を拡散されることは国費による研究に対する阻害となります.当該記事の削除をお願いいたします.

***

また、11月28日の段階で調査結果に疑問を呈している人がおり、ご本人からメールを頂いたので以下の記事も参照してほしい。

参考:「文章の構造を理解できていない、文法分からず」だろうか?分析が間違っているのでは? 「中高生の読解力ピンチ」「国立情報学研究所」

▼この記事が面白かったらいいね!

▼この記事をシェアする









▼netgeekをフォローして最新情報を受け取る

Comments (10)

Leave a Comment




Login to your account

Can't remember your Password ?

Register for this site!