【炎上】SimilarWebの信憑性のないデータに各メディア責任者が猛抗議
netgeek 2016年6月7日
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炎上する火種となったのはSimilarWeb公式ブログが書いたアクセス分析記事。
内容は代表的な女性向けキュレーションメディアを3つピックアップし、アクセス内容をSimilarWeb PROを使って分析するというものだった。記事はすでに削除されて見られなくなっているが、netgeek編集部ではキャッシュから記事を閲覧することができたので問題箇所を実際に使われた画像とともに紹介しておきたい。
▼記事では、MERY(DeNAの子会社の株式会社ペロリ)、Locari(株式会社Wondershake)、by.S(株式会社サイバーエージェント)のデータを掲載し、「MERYが月間3,700万PVというのは驚きです」と綴った。
▼時系列で見ると「MERYは約1年でアクセス数が1/3にまで落ち込んでいるようです」「この情報だけでは理由は分かりません」と続ける。
この後はアクセスの流入元と流出先を分析して「各メディアは閲覧者をECサイトに流すことで購買にコンバージョンさせる流れをつくることができている」と分析していた。
この記事に対してデータが事実と異なると抗議したのが各メディアの運営者たち。
▼サイバーエージェント Ameba事業本部SEO戦略室長
サードパーティのツール販売者が、そのツールの数値が正確であるかのようにブログを書いている。圧倒的に少ないトラフィック量のデータを記述し、事実と異なる見解を記載しているのだが各所に誤解を生む可能性があると思われる。正しいデータで書いて欲しいならGA接続しろとかいうのかな。
— 木村賢(Satoshi Kimura) (@kimuyan) June 7, 2016
※GAというのはGoogleAnalytics。SimilarWebではサイト運営者がGoogleAnalyticsと連携させて正確なデータを表示することができる。
別に記事内容の全部を否定しないけど、大半事実と異なる。
反論記事を書きたいくらいだ。
シグナル送りたくないからリンク張らないけど。利用率高いツールなんだから、ちょっとは考えろよ。ちょっと許せねえな。— 木村賢(Satoshi Kimura) (@kimuyan) June 7, 2016
事実と異なる少ない数字をそのツール上で出てくるからと、あたかも正確なトラフィック数字のように語られると媒体価値は下がるし、広告主にも誤解生む可能性がある。甚だ迷惑。リアルなデータつきつけてツールの価値をむしろ下げてやろうか?あとアプリ抜いてウェブだけで話するのもナンセンス。
— 木村賢(Satoshi Kimura) (@kimuyan) June 7, 2016
▼Twitterプロフィール「羊っぽいメディアのデザイナー兼SEOの人」
1/3になってたら今頃ワシはクビじゃよやめてくれよこーゆーの
— ジンギスカン屋さん (@ari_kou) June 7, 2016
「ツイッターで偉そうにSEOの話してるけどトラフィック1/3なんだぜアイツ…..」と後ろ指を指される日々が唐突にやって来るし、死のうとしたりしたらどうするんですかほんと!
— ジンギスカン屋さん (@ari_kou) June 7, 2016
▼ここ最近、評判を急上昇させているSEO専門家の辻正浩氏はやはりSimilarWebのデータは信用ならないとバッシングする。
全力でズレたデータと見解で記事を公開してメディアサイトの価値を毀損するひどい営業会社が売る微妙なツールは、実データとの乖離が大きくて何の判断にも使えないから絶対に契約しないほうがいいよ!という実データとの比較を出したツールの価値を毀損する記事を書いても怒られませんよね?
— 辻正浩 | Masahiro Tsuji (@tsuj) June 7, 2016
今回の記事は私は全く関わっていないサイトの話だからやっと言えますが。
今回だけでなく、無料版などを元にした個人の記事も公式の記事も毎回ひどすぎる。
沢山、実データと見比べましたけど、特にスマホ率が高い大規模メディアでは、本当に何の参考にもならない乖離っぷりですよね……— 辻正浩 | Masahiro Tsuji (@tsuj) June 7, 2016
▼アクセス解析、SEOなどのウェブ周りを仕事にしている人物は日本の販売代理店(株式会社ギャプライズ)の金儲け主義を批判。
あのツールのことかなー?あのツールは、と言うか代理店の売り方が酷いので、社内用に「乖離しすぎて使えないから買うな」と周知したくらい嫌い。他にも小ネタあるけど、あそこはユーザーの事なんかよりもとにかく金!ってスタンスだったなぁ。 >RT
— KEIZINE@適合係数上昇中 (@keizine) June 7, 2016
こうしてTwitterで盛大に非難の声が集まったことでSimilarWebは記事を削除したというわけだ。そもそもSimilarWebはどのような仕組みでアクセスを解析しているのだろうか?
詳細こそ明らかにされていないものの、公式には「クリックデータとクローラーから情報を得ている」と説明されている。
これについては、ブラウザのアドオンやプラグイン、アプリなどからデータを収集していると言われており、過去には勝手に閲覧履歴を転用するのはプライバシーの侵害ではないかと叩かれたことも…。
いずれにせよ、今回のメディア運営者側の猛抗議と発言からデータの信憑性は乏しいことが分かった。SimilarWebもいまいち自信がないのですぐに記事を消したのだろう。自社が提供しているデータに自信があるならば記事を消さないで堂々としておけばよいのだから。
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