バイラルメディアがこぞって「溺れたカラスを熊が助ける動画」を取り上げていたので、タイトルのつけ方を比較してみた
netgeek 2014年8月8日
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この動画はその感動的なシーンに心を揺り動かされた管理人が多かったのか、他のサイトでも多数取り上げており、netgeekとしてはネタが被ってしまうのは問題あるなぁと思いつつ眺めていたのだが、よくよく考えれば、これは以前から重要と言われているタイトルを比較するいい機会ではないか。
聞くところによると急成長した海外バイラルメディアのUPWORTHYは驚くことに1つの記事に対して25ものタイトルを考えて、その中で最もいいものを選び出して使うらしい。やはりうまくいっているサイトは表からは見えない影の努力をしているということであろう。
同じ動画を紹介したサイトを徹底調査
そんな超重要なタイトルを日本のウェブサイトはどのようにつけているのか。netgeekでは同じ動画を記事にしたサイトを徹底調査し、サイト名とタイトルをリスト化することで分析を試みた。今回集めたのは全21サイトで、バイラルメディアに加えてついでに2ちゃんねるまとめブログ、ニュースサイトなども収集対象とした。
まずはバイラルメディアのリストはこちら。どれが秀逸だろうか。
CuRAXY…【種族なんて関係ない】絶体絶命のカラスを救ったのは体も器も大きい熊でした。
http://curazy.com/archives/24428
Whats…溺れるし、クマ来たし、もうダメだ…と、思ったカラスが生きてて混乱中(笑)←カラス目線にした珍しいパターン
http://whats.be/17226
grape…水に落ちたカラスを付け狙う熊。食われるっ…!!あれ?まさかの結果に
http://grapee.jp/10887
feely…動けない!溺れているカラスを見つけたクマの行動が意外すぎる!
http://feely.jp/6723/
VIRATES…溺れているカラスを、クマが・・・!(動画)
http://virates.com/funny/2639542
BUZZmag…男前すぎる!プールで溺れていたカラスにクマさんが取った行動←個人的にはこれがベストだと感じた
http://buzzmag.jp/archives/9269
BUZZNEWS…【動画】池で溺れているカラスをクマが採取→そして?
http://buzznews.asia/?p=78496
Temita…水に落ちたカラスを見つけた巨大熊!あぁ、カラスが食べられる~~!
http://temita.jp/none/4656/
Poketti…溺れるカラスをクールに救出するクマがイケメンすぎると話題に!
http://pocketti.me/?p=3924
BUNGAROW MAGAZINE…溺れたカラスを助ける熊に感動!まさかの行動にカラスもビックリ
http://bungalowmag.jp/14189
各サイト、それぞれ工夫してタイトルをつけていることが分かる。さて、この中で一番人が来るタイトルはどれだろう。
あくまで個人的な意見だが、動画の最大の見どころは熊がカラスを助けるところにあるのだから、ネタバレになる「助ける」、「救出」という文字はいれないほうがいいのかなと。その点、BUZZmagの「男前すぎる!プールで溺れていたカラスにクマさんが取った行動」というタイトルは最も重要な部分をあえて「男前」という抽象的な表現で隠していて上手いと感じた。
さて、こうして見てみるとnetgeekのつけたタイトル、『クマ「カラスが溺れてるくま!大変くま!」 プールに落ちたカラスに対して熊がとった意外な行動とは?』はクマに喋らせているという点でけっこう異質だったのかもしれない。この記事のシェア数はFacebook26、Twitter14とnetgeekとしては普通の拡散具合。果たしてこのタイトルがよかったのか悪かったのかは正直よく分からない…。
本当は各サイトで「FacebookとTwitterのシェア数 / フォロワー数」でシェア比率を弾き出し、最も効率よくバイラルさせたサイトを調べようとしたのだが、そもそもシェア数が記事で見られないところがあったので断念。ただこうして見比べてみると、タイトルのつけ方には編集者の腕が如実に表れていることが明確となった。
サイトのジャンルによって特色が出る
ちなみにバイラルメディア以外でも多数取り上げられていたので、そちらもリスト化してみた。結果はこちら。
ニュースサイト
ねとらぼ…クマがおぼれたカラスを食べちゃうかと思いきや華麗に救出 一方で状況が飲み込めないカラス
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1408/04/news026.html
まとめッター…【ほっこり】熊が溺れているカラスを見つける→救出するも食べない→カラス困惑 #1083
http://tcia.blog.jp/archives/1007071621.html
海外の反応
ぽんやく~海外の反応~…【海外の反応】溺れているカラスをクマが救助!?(動画)
http://luckyauc.com/crowrescue/
2ちゃんねる
溺れかけたカラスを熊が救ったクマ━━━━ (  ̄(エ) ̄) ━━━━!!
http://hayabusa3.2ch.sc/test/read.cgi/news/1407132657/
カラス、岩に挟まって溺れる。カ「ワイはこんなとこで死ぬのか・・・」→
http://fox.2ch.net/test/read.cgi/poverty/1406912775/l50
2ちゃんねるまとめブログ
ソニック速報…【動画】カラスがヒグマの檻の中で溺れた結果wwwwww
http://sonicch.com/archives/39469892.html
カナ速…【動画】カラスがヒグマの檻の中で溺れた結果wwwwww
http://kanasoku.info/articles/51744.html
ハム速…水に落ちたカラスを食べるのかとおもいきや助ける熊さん動画
http://hamusoku.com/archives/8474622.html
あにまるぞーん…【動画】熊が溺れかけたカラスを救う、ハンガリー動物園
http://animalzone.blog.fc2.com/blog-entry-568.html
はくしき堂…動物園で溺れかけたカラスをクマが救う!!
http://blog.livedoor.jp/hakushikidoo/archives/40199101.html
よもやま速報…【動画】カラス「溺れてるンゴオオオオオオ!」 熊「……」
http://yomosoku.com/blog-entry-787.html
まとめブログはやはり「www」を使っているのが特徴的。その他、「~した結果」、「ンゴオオオ!」など、タイトルだけでまとめと分かるものも多い。
実はこの他にもたくさん取り上げているサイトを見つけたのだが、堅実に運営している個人ブログや真面目なニュースサイトなどはやはりタイトルのつけ方も真面目であまり面白みを感じられなかった。「溺れているカラスをクマが助ける動画がすごい」などと動画の内容がそっくりそのまま書かれていてもSNSを見ている人は興味をもってクリックしないのではないか。
実はnetgeekとしてはタイトルに「www」を使いたい衝動に駆られることが度々ある。「www」はどんなワードでも簡単に「楽しく盛り上がっている雰囲気」が出せる魔法の呪文なのだ。しかし、そうするとオタクな雰囲気で一杯になり、Facebookでシェアされなくなってしまう。これは悩みどころだ。
日本のバイラルメディアは「www」に代わるものを生み出すべきである
まだまだ始まったばかりの和製バイラルメディアは早く独自の文化を醸成し、オリジナルの言語を生み出すべきであろう。ちなみに海外ではネット上で「LOL(laugh out loud)」が広く使われており、こちらには「www」ほどはオタクなイメージはない。
何か盛り上がりを表現するような日本のバイラルメディア発祥の新しい言葉を作り出せないだろうか。どこかのサイトがいいものを思いついて流行らせることに成功したら、wikipediaなどに載り、そのサイトは「元祖」と呼ばれ一気に知名度があがることだろう。
netgeekでは色々考えた結果、「&&&&&&&」が体育座りをしている人たちに見えるというどうでもいい発見しかできなかった。どなたか発想力のある方、何とかしてほしい。
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