日本のマスコミが報じている「トランプの安倍総理批判」が誤訳なので正しておきたい
netgeek 2018年3月25日
|
まずは日本のメディアが誤訳で紹介する様子から。
トランプ大統領は安倍総理のことを友人と表現しながらも日米間の取引はアメリカが一方的に赤字だったと振り返り、これからはそうはならないと自国民にアピールする。
このスピーチは日本のマスコミがこぞって取り上げ「安倍総理がほくそ笑んでいた」「笑っていた」という言葉だけが独り歩きした。
だが、改めて動画で確認すると、トランプ大統領のニュアンスは少し違う。細かなところで誤訳が混じっており、誤解が生じているのだ。
ニューヨーク・タイムズに書き起こしが掲載されている。
トランプ大統領が発言したのは正確にはこうだ。
「私は日本の安倍総理をはじめ他の人とも話すつもりだ。安倍総理は私の友人で凄いやつだよ。(話し合いの場で)安倍総理らの顔には笑みが浮かんでいるだろう。その笑みは『こんなに長くアメリカを利用できたなんて信じられない』という意味だ。だからそういう日は終わりだ」
ポイントは安倍総理が笑っていたという事実はなく、あくまでトランプ大統領の想像だということ。日本のマスコミは「安倍総理がほくそ笑んだ」ということを確かに両者の間で起きた事実として報じているが、これは全くの事実無根でトランプ大統領の推測(will)にしかすぎない。
しかもニューヨーク・タイムズの記事では続いて上智大学・前嶋和弘教授の「これはあくまで支持者へのプロモーション(パフォーマンス)。貿易赤字に不満を感じている人が多いから」という冷静なコメントが紹介されている。
思い起こされるのはトランプ大統領が当選時に発した「コストのかかる在日米軍を撤退させる。自分の国は自分で守れ」という言葉。結局、そんな実現はされず、むしろ政治家経験豊富な安倍総理が新米のトランプ大統領を手懐けるということが起きた。
当初は「安倍総理はトランプ大統領に尻尾を振っている」「日本はアメリカの犬」などという皮肉も飛び交ったが、今の関係を見るにむしろ安倍総理のほうがトランプ大統領をコントロールしているように思える。
アメリカ国民の中にもそのような実態に勘付いている者がおり、トランプ大統領への不満がくすぶる。そこで不満を解消するためにトランプ大統領がリップ・サービスで大風呂敷を広げた。ただし実際の交渉の場で話がうまくいくかは分からない。少なくともできるだけ努力はしているように見せたい。そんなところだろう。
スピーチの中で配慮がみられたのは安倍総理のことを「great guy, friend of mine」と表現したこと。こうした気遣いがあるあたり、トランプ大統領は安倍総理のことを本気で批判したというわけではないように思える。貿易面での問題を抱えつつも二人の仲は極めて良好であろう。
【追記】
訳が暴走してとんでもないことになっている。トランプ大統領はこんなことは一切言っていない。
Comments (14)