「フランチャイズのバイト罰金には関与しない」と言っていたセブンイレブン本部、全国ニュースになって慌てて対応を変える
netgeek 2017年1月31日
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ネット上の告発がなんと新聞に。これは大事になってきた。
前回の記事:セブンイレブンの罰金制度が炎上「風邪で代わりの人を見つけられなかったからペナルティ9350円」
事件の概要はこうだ。ある女子高生がアルバイトしていたセブンイレブンでは休む場合に代わりの人間を見つけるのがルールになっており、見つけられなければペナルティとして罰金が徴収される仕組みになっていた。
これに気づいておかしいと声をあげたのが保護者。ネット上で給料明細とそれに貼られたふせんを公開した。
聞いたことのないペナルティにみんなが驚き、「これはさすがにおかしい」と指摘する。その後、保護者は各方面に懸命に改善を求めるも一向に取り合ってもらえず、大変苦労した。具体的には以下のように動いていた。
(1)親がオーナーに電話するも「みんな納得しているルールです」
(2)親が本部に抗議するも「フランチャイズなので関与していない」
(3)親が労働基準監督署に相談し「違法」という判断を貰う
(4)親が労働基準監督署の面会予約を取る
めちゃくちゃなルールを押し付けたオーナーが抗議を突っぱねるのはまだ分かる気もするが、ひどいのはセブンイレブン本部。明らかに労働基準法に違反するルールであり、また倫理的にも高校生バイトから9,350円も罰金を取るというのはおかしいと分かるはずなのに「フランチャイズだから」と対応を放棄した。
フランチャイズのオーナーに対し「違法なことをするなら契約を切る」と言えば一発で改善が図られたはずなのに、どうして何もしてくれなかったのか。結局、保護者はわざわざ時間をつくって労働基準監督署の力を借りることになった(2月2日が面会予定)。
そしてこのニュースはネット上で拡散し、ついに大手メディアも続々と報じ始めた。
ハフィントンポスト:セブンイレブン、バイト病欠の女子高生に「罰金」で謝罪
産経ニュース:風邪で休んだ女子高生、バイト代9350円減額「ペナルティ」 セブン-イレブン店舗、労基法違反
中でも注目すべきは毎日新聞の記事。セブンイレブン広報の発言がずれている。
広報センターの担当者は毎日新聞の取材に(中略)「労働者に対して減給の制裁を定める場合、減給は1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が賃金総額の10分の1を超えてはならない」と定めた労基法91条(制裁規定の制限)に違反すると判断したという。
厚生労働省労働基準局の担当者は「代わりの人間を見つけるのは加盟店オーナーの仕事」と話す。
今回炎上したのは罰金の金額が多すぎるという話ではなく、高校生バイトから罰金を取るのが変なのではないかという話だ。そもそも休んだ理由も風邪という正当なもので、店に連絡は入れてあった。代わりの人を見つけるのは店側がするべき仕事であろう。
オーナーはただひたすら自分が楽をするためにバイトに過度な責任を押しつけ、ブラックな労働環境をつくっていた。
しかもそれは明らかに法律を無視したものだった。雇用者と労働者では圧倒的に雇用者のほうが力関係が強く、往々にして劣悪な労働環境が生まれがちだ。それを防ぐために労働基準法が定められているのに企業が堂々と法律を無視するのは許されない。
バイトにペナルティを課していたオーナーは自分自身がペナルティを受けるべきであろう。
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