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電通が倒産寸前のゲーム会社を1000冊ステマ作戦で救った話。これは美談か、それとも不正か

netgeek 2016年10月11日
 

電通の元社員が講演会にて成功事例として語ったゲームのステマ(ステルスマーケティング)作戦が波紋を呼んでいる。「そこまでするのは凄い」と賞賛する気持ちとステマに対する嫌悪感が入り混じり、どう反応していいのか判断が難しい。

倒産寸前のゲーム会社から依頼を受けた電通、ゲーム雑誌でステマを決行することにした。

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自作自演でアンケートハガキを出しまくり、狙いのゲームをヨイショする。その数なんと1,000通。ファミマガ1冊が350円なのでアンケートハガキを手に入れるために35万円分も雑誌を購入する計算だ。

▼ファミマガとはゲーム情報誌の「ファミリーコンピュータMagazine」のこと。当時のゲーマーはこの雑誌で情報収集していた。

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▼まだインターネットという言葉、そしてステマという表現すらなかった時代からステマを決行していた電通社員。けっこう優秀なのかもしれない。

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▼宣伝したのはケムコのホワイトライオン伝説。ステマがうまくいって会社は息を吹き返したが、思わぬオチが待っていた…。

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▼ファミコン向けソフトのホワイトライオン伝説。ケムコはこの新作に社運をかけていた。

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▼金がないなら知恵を絞れ。まさか1,000通も自作自演するとは…。

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▼メーカーからゲームソフトを買ってくれるのは消費者でなく小売店。小売店もまたファミマガを参考にして仕入れを決めていた。

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▼この話について調べたところ、紛れもない事実と証言している関係者を見つけることができた。

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企業がわずか35万円の実費で倒産の危機を免れたのだから電通の仕事としては超一流だろう。さすが講演会で話すだけのことはある。ネット上ではこの電通の地道かつ巧妙な仕事を絶賛する声があがり、一連の投稿は即座に拡散された。

しかしながら一方で電通に嫌悪感を示す人も少なくない。電通社内ではこの頃から何でもありのノリが先行してコンプライアンスが機能していなかったという見方もできる。また、結果的に消費者を騙すやり方は今のテレビやラジオ、雑誌などでも電通の悪事が横行しており、昔も今もその卑怯なやり方は変わっていないという指摘も…。

事実、以前netgeekで記事にしたように、電通の2ちゃんねるを使ったゲームのステマが盛大にバレてしまう事件もあった。

参考:【炎上】電通、2ちゃんねるでのステマがIPアドレスでバレる

これまでに発覚したステマは氷山の一角。我々消費者は電通に価値観を形成されることで洗脳され、電通によって行動させられている。

洗脳について詳しく、著書「電通 洗脳広告代理店」が評価されている苫米地英人氏(カーネギーメロン大学、計算言語学Ph.D)は電通の戦略十訓について引用リツイートで言及している。これが電通のやり方ということを頭に入れておきたい。

電通はまさしく商品を売るために消費者の脳をコントロールしようとする。電通の元社員が倒産間際の会社を救った美談として語った話は思わぬ方向に転がり、波紋を呼ぶ結果となった。

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