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熊本地震で真っ二つに割れたマンション。エキスパンションジョイントと気づいていないフジテレビがハイエナ行為を仕掛ける

netgeek 2016年4月15日
 

熊本で起きた地震でマンションが真っ二つに割れた写真がTwitterにアップされた。周囲の人が驚いて拡散する中、ハイエナ行為を仕掛けて画像をタダで使おうとしたのはフジテレビだった。しかし、その報道のあり方はかなり誤解を招くもので怒りの声があがっている。

4/15の朝7時、一人の女性がTwitterに驚くべき写真をアップした。

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こちらは「@mayu0517love_」さんが「うちのマンション割れてます」という文章とともにアップした写真。一瞬何が起きたのかは理解しがたいが、よく見るとマンションが上から一刀両断で切られたようになっており、隙間から後ろの青空が見えている。

この衝撃的な光景に我先にと食いついてきたのがフジテレビだった。

▼「とくダネ!」が「御怪我はございませんでしょうか?」と心配しているふりをして「フォローしたうえでダイレクトメッセージでやりとりしましょう」と誘う。被災地の人はそれどころではないと分かりそうなものなのに、まさしく特ダネがほしいのか。

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▼こちらもフジテレビ。写真の使用許可を求めたうえで詳細も聞きたいとフォローを要求。同じ局なのだからまとめて申しこめばいいのに…。人の不幸で飯を食うとはこのことか。

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おそらくフジテレビはセンセーショナルなテロップとともにこの真っ二つに割れたマンションを紹介し、視聴率を稼ぎたいのだろう。

だが、ここで重要な事実を記しておきたい。割れたのはエキスパンションジョイント(エクスパンションジョイント)という地震対策なのだ。

▼マンションでこのようなつなぎ目を見たことがないだろうか?いざというときに振動を分割して衝撃を大きくしない仕組みだ。

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▼1995年から普及しているのでおそらく多くの人が目にしたことはあるはず。

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▼橋でよく見かけるこのようなつなぎ目もエキスパンションジョイント。しっかりと衝撃を和らげて被害を少なくする。

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建築界ではそう珍しい技法ではなく、今や耐震構造をつくるために常識化している側面もある。もっとも、冒頭の写真のように綺麗に割れる例は珍しく、専門家からは「教科書に乗るレベル」「そもそも今回のように大規模な地震が起きるのは珍しいので事例が少ない。貴重なサンプルになった」などという声も飛び交った。

さて、しかしながら肝心のフジテレビはエキスパンションジョイントということに気づいておらず、マンションに問題があるかのような報じ方をしていた。

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事情を知らない視聴者は目の前に映る光景と報道を鵜呑みにし、騙されてしまうに違いない。これではまるでこのマンションが欠陥住宅で今にも倒壊しそうという印象を持ってしまうではないか。

また2015年に起きためざましテレビハイエナスパム事件も知っておいてほしい。偶然か必然か、これもフジテレビだ。騒動は、異物混入を起こしたペヤングが販売復活した直後に起きた。

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参考:めざましテレビがTwitterの面白ネタに乞食行為を仕掛けるも一瞬で撃沈

参考:【めざましテレビTwitter乞食スパム事件】何人分の名を語っているのか調べてみた

この出来事を機にめざましテレビのアカウントを調べると、あらゆる人気ツイートに片っ端からハイエナ行為を仕掛けていることがわかった。メッセージを送る際の名前はほぼ毎回変えており、総勢51名の名前が確認できた。

▼コピペ用の名前の箇所を伏せ字にしているものを誤爆しているツイートも発見。

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これらの事実からめざましテレビは組織的にネタの収集をTwitterで、しかもタダで行っていることが分かった。ネットで話題のものを紹介するというのは決して悪いことではないが、大手マスコミはもっと取材力を活かして有益で正確な情報を提供すべきではないだろうか。

最近では、「新聞(メディア)を疑って読もう」という東大学長のメッセージを読売新聞が「新聞を読もう」に捻じ曲げて報道したばかり。

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参考:東大学長の「新聞を疑って読め」という入学式メッセージを読売新聞が「新聞を読もう!」に要約してまさしく言葉通りの事態に

物事の真実というものは様々な視点から複眼的に見て判断しないと見抜けないものだ。さて、今回のフジテレビの最大の問題は豊富な予算がありながら自分の足で取材せず、楽にネットで素材を集めたことにある。これは海外のメディアは絶対にやらない正確性の低い仕事で、もはやジャーナリズムとは呼べないお粗末なものだ。

日本を代表する大企業のテレビ局がこんなことをしているとは実に嘆かわしい。こんなことだから日本のメディアはジャーナリズムが体現できていないとバッシングされるのだ。

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