スペインで犬と猫の「人権」を認める条例が圧倒的多数で可決
netgeek 2015年9月15日
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スペインのとある町で犬と猫の「人権」を認める条例が可決された。これにより、人間と同様に接しなければならず、施設での処分なども禁止されることになる。
このネット上で話題となっている条例はスペインの田舎町で可決されたもの。
トリゲロス・デル・バジェという人口300人の小さな町だ。この町の町議会は犬と猫に「『非人間の居住者』として、人間同様の権利を与える」という条例の決議を実施した。日本では考えられないような条例だが、なんと町議会は満場一致でこの条例を可決する。
市長は条例制定の理由を「犬と猫は我々と1000年以上一緒に暮らしてきたから」と語った。
動物愛護団体は「人間にとっても人間以外にとっても大きな日になった」と条例制定を祝福した。スペインの多くの地域では以前から闘牛を禁止する条例の制定が進んでおり、トリゲロス・デル・バジェの条例でも同様に闘牛禁止の文言が入っている。
そういえば、かつて日本にも同様の法律があったのは皆さんご存知だろう。
江戸幕府第5代将軍徳川綱吉が制定した「生類憐れみの令」だ。現代では、犬のために多くの人間が処罰された悪法としてイメージが定着しているが、この法令の本質には「生命の尊重」というものがあった。作家の井沢元彦氏は自身の著書「『誤解』の日本史」の無料公開部分で次のように語っている。
「人を殺すなんてとんでもない」という風潮ができたのは、この法律ができたあとのことです。人を殺すのはとんでもない悪事であるという意識の中に、われわれ現代人は生きています。我々の日常的な倫理の中に、そうした意識は深く根を下ろしています。ところが戦国時代は、人を殺すことが功名だという意識をもって、世の中は動いていました。日本人の意識の大転換が起こったのは、実は綱吉の時代なのです。
「生類憐れみの令」の条文の1番目にあったのは「(人間の)捨て子保護」だった。
動物保護の部分は後の将軍の代に削除されたものの、捨て子保護の条文は幕末まで効力が残った。こうして「人間の命は大切にしなければならない」という意識が現代にまで続くことになったわけだ。次は動物の命を大切にすることを意識する時代なのではないだろうか。