【大塚家具お家騒動】財務を分析したら勝久会長よりも久美子氏が正しいということが一目瞭然になった
netgeek 2015年2月28日
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創業者である大塚勝久会長と娘の久美子氏の間で経営方針をめぐって揉めている大塚家具。高級路線を目指す完全会員制と気軽に入れるニトリ化、正しいのはどちらなのだろう。
netgeek編集部では大塚家具の財務を分析し、正しい経営をしているのは久美子氏であるという結論を導き出した。
大塚家具は2000年に入ってから成熟期に入り、売上高は安定していたのだが、次第にニトリ、IKEAといった低価格小売店にシェアを奪われはじめた結果、①2008年に当期純利益が赤字に転落。困り果てた勝久会長は2009年3月、長女で、IRコンサルティングの株式会社クオリア・コンサルティングを起業していた久美子氏を社長の座に据える。
それでも2009年12月期は予想通り大赤字。すでに会員制は時代遅れで、カジュアル店にシェアを奪われていると感じた久美子氏は来客に住所を書かせる制度をやめ、商品の値段を下げた。
その結果、②売上高こそ落ちたものの、再び黒字化することができたのだ。利益の額こそ減ったものの、適切な規模にスケールし直すことができた。
しかし、これに勝久会長は激怒した。「価格を下げるだけなんて誰にでもできる。もっと利益を追及しろ」と2014年7月に久美子氏を解任し、再び自らが社長となる。しかし、③再び復活させた会員制があだとなり、営業利益が赤字化。
怒った株主は2015年1月に久美子氏を社長に呼び戻した。それでも勝久会長は断じてカジュアル路線を認めず、民事訴訟で実の娘である久美子氏に訴えを起こす始末。
大塚家具のビジネスモデルはすでに衰退期に入っているため、売上の縮小は避けられない。そもそも衰退期に入ったにもかかわらず、増収増益を狙うことが間違っているのだ。
先決なのは赤字にならないほどの適切な規模にまで縮小させ、徐々にビジネスモデルをニトリ・IKEA化していくことだ。低価格路線で攻めるビジネスモデルはまだ成長期にあるので転換し終わったら、そのタイミングで再びシェアを奪いにいけばいい。
ニトリと大塚家具、直近10年の株価推移。
▼ニトリ。右肩上がりの成長。
▼大塚家具。長らく低迷している。
完全会員制で店員が客についてまわってまとめ買いを勧めるなどもってのほか。それはヤマダ電機などの小売店がamazonにシェアを奪われている現状をみれば明らかなはずだ。大塚家具は過去の成功体験にとらわれず、久美子氏の陣頭指揮の下で劇的な業態変更を起こすべきであろう。
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