動物の交通事故を減らすために専用の橋を作った
netgeek 2021年1月20日動物は食べ物を求めて移動する。いくつかの国では動物が道路を横断するときに起きる交通事故が問題視されており、解決策が求められていた。
改良を重ねてようやくうまくいった橋作戦。
ベルギー、カナダ、オランダ、ドイツは野生動物専用の橋を作ることでこの問題を解決した。この記事では実際に動物たちが橋を使う様子の写真とともに成功までの試行錯誤をお伝えしたい。
野生動物との接触事故は人間にとっても動物にとっても危険であり、アメリカでは年間100万頭もの動物が命を落としていると推計された。
ユタ州の高速道路80号線は接触事故が多いことで有名で、鹿、ムース、アライグマ、クーガーが多く犠牲になっていた。
2018年、ユタ州はフェンスを設置することで動物の往来を防ごうとした。が、動物はフェンスがないところから出入りしてしまうのであまり良い方法ではなかった。
そこで州は動物が安全に移動できるようにする方法に切り替えた。そう、橋を作ったのだ。
橋の建設計画は想像以上に難しい。そもそも橋を作ったところで動物たちが道路よりも橋を選ぶという保証はないのだ。
Utah Division of Wildlife Resourcesはフェンスを活用してできるだけ橋に誘導する導線を意識した。それでも当初、動物たちは見慣れぬ橋を警戒して使わなかった。
そこでさらに改良を加え、橋もまた自然の一部に見えるように岩や丸太を設置した。
人間にとってはこの橋までたどり着く道がなく、動物だけが使えるルートだ。作戦はうまくいき、多くの野生動物が橋を往来する様子が監視カメラに映っていた。
野生動物のために人工物を減らすのではなく、人工物を増やすことでより住みやすい環境にする方針は一つの正解と言えるだろう。こうして人間と野生動物は平和に共存することが可能となった。
このベストプラクティスは日本でも導入できそう。動物たちがお利口に橋を使ってくれる様子は大変微笑ましい。