11年間、毎日そこで待つ犬。絶対に会うことはできない
netgeek 2019年6月21日
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シカゴに住むロマンさんは愛犬トビーと一緒に幸せな暮らしをおくっている。トビーは賢く、ロマンさんのことが大好きなようだ。
なぜか帰宅が分かる。
犬のトビーは2歳のときにこの家にやってきた。はじめの数ヶ月はうまくいかず、トビーはとにかくかまってほしいようでずっとついてきて遊ぼうとした。
次第に、トビーは賢いのだから小さな人間のように扱うのが正解だと思い始めた。そしてトビーの歩み寄りもあり、次第に2人は深い絆で結ばれることになる。
「仕事から帰ってくる私を窓際で待つ生活をもう11年間も続けているのです」
前の妻とは離婚してしまったが、そのとき妻はトビーと一緒にいられるようにと家を残してくれた。トビーが10歳のときだった。
トビーは優しい性格で唸ることはあっても決して噛み付いたりはしなかった。子供が雑に扱っても怒らないし、誰かが喧嘩していたら後ろ足で立ち上がって止めに入るような犬だった。
ロマンさんは会社経営者であり、家を8〜10時間ほど空けることが多い。
広い庭がある立派な家。そこにぽつんとトビーの顔が小さく見える。
「ただいま」
「家の近くまで帰ってくるとトビーはすぐに察知して窓際に来るんです。いざ対面するとジャンプして顔を舐め回します」
家の中から見るとこんな感じ。
しかしこのような幸せな生活はトビーが16歳のときに終わりを告げることになる。ガンだった。
以前から医者からもう長くはないと警告されていたため、心の準備はできていた。
「人生で最も辛い時期で、4ヶ月経った今でも昨日のことのように感じます」
トビーはもうこの世にはおらず、あの窓から顔を覗かせることはない。
ロマンさんはせめて生前のトビーの可愛い姿を見てもらいたいという願いをもっている。犬は素晴らしい家族の一員だ。トビーは可愛い家族だった。