「女性はエンジニアに向かない」でGoogleをクビになった元社員の反論
netgeek 2018年11月20日
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まずは解雇された経緯から。
ジェームズ・ダモアは「Google’s Ideological Echo Chamber」というレポートを社内で公開したことで女性に差別的だと大炎上した人物。CEOの怒りを買い、すぐに解雇された。
レポートの内容を簡潔に紹介すると次のようなものだった。
・IT業界には女性より男性のほうが多い
・原因は差別ではなく、男性のほうが能力的に向いているからでは?
・女性は人間関係に関心が強く、協力的で心配しがち
・こうした生まれつきの特徴がIT業界での活躍を妨げている
・こうした正論は圧力を受けるので多くの社員が言えないでいる
ジェームズ・ダモアは良かれと思ってレポートを公開したのだが、スンダル・ピチャイ最高経営責任者(CEO)は多様性を維持する方針に反発するものと判断。数日後に解雇に踏み切った。
解雇には賛否両論が飛び交った。ジェームズ・ダモア擁護派は「誰にも言論の自由があるのに自社の反対意見を封殺するというのはいかがなものか」とGoogleを批判した。
なお、Googleの女性割合は技術職が約20%、非技術職が約50%となっており、ジェームズ・ダモアの主張を裏付けるように歴然とした差があるのもまた事実だ。
さて本題はここから。
女性に不適格のレッテルを貼ったとして世界中からバッシングを受けることになったジェームズ・ダモアが反論の映像を公開したのだ。ありがたいことに筑波大学の掛谷英紀准教授が日本語訳をつけてくれている。
土曜日に訳した3本目の動画は「グーグルに歯向かったらどうなるか」です。男女の性差について文書を書いてグーグルを解雇された元同社の技術者による告発です。保守系のSNSコンテンツのバンが世界中で行われてますが、その裏側を窺い知ることができます。https://t.co/VRtLvadgAP @YouTubeさんから
— Hideki Kakeya (@hkakeya) 2018年10月22日
※翻訳をオンにして御覧ください
以下、ジェームズ・ダモアの主張まとめ。
・Googleは女性差別をなくす取り組みに積極的だ
・だが、仕事で男女差が生まれるのは性差別だけが原因だろうか?
・Googleが性別ごとに違う扱いをするとプログラム能力ではなく、性別で評価していると感じてしまう
・エンジニアとしてこの問題の解決に取り組むことにした
・男女は同一なのかという切り口から調べた
・結論は「技術分野における男女差は性差別だけではないというもの」
・男性は目標に出世を設定するが、女性はワークライフバランスを重視する傾向がある
・また男性は物(例えば車)に関心があるが、女性は対人関係に関心を抱く
・こうした私のレポートをCEOらは認めなかった
・マスコミは一斉に「多様性への宣戦布告」と私を攻撃した
・だが、私は多様性を促進したいと考えており、方法も提示している
・Googleが科学的根拠のある理論を受け入れなかったのはおかしい
・今や政府よりも大きな力をもっているGoogle
・そういえばGoogleはYouTubeで保守派の動画を制限した
・Googleは社訓の「Don’t be evil(邪悪になるな)」に従うべきだ
主張はロジカルであり、確かな説得力がある。動画には4.5万の高評価、1,400の低評価がつき、ジェームズ・ダモアの主張は圧倒的な支持を得ている。まさかこんな大逆転が起きようとはGoogleの上層部も予想しなかっただろう。
ジェームズ・ダモアは今年1月にGoogleに対して訴訟を起こした。裁判の行方に注目が集まる。
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