ホリエモンが提唱して炎上した「コンビニ居酒屋」、セブンイレブンが実現してしまう
netgeek 2018年7月15日
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2014年の記事:【速報】堀江貴文と佐山展生、楠木建(一橋大学教授)の間で戦争勃発!ホリエモン提唱のコンビニ居酒屋は成り立つのか
7月17日から首都圏で生ビールの試験販売を開始。値段も安い!
Sサイズが税込み100円。これは非常に画期的なアイデアだ。どこにでも近くにあるコンビニで生ビールが味わえるとくれば購入する人は多数いるだろう。外観はコーヒーマシンに似ており、操作は簡単そう。もはや缶や瓶のビールは一気に衰退するかもしれない。
さてこのコンビニがお酒を提供するというアイデアについて2014年にホリエモンが提案して大論争が起きていた。当時のことを改めて紹介しておきたい。
ホリエモンはまず自身のブログhoriemo.comにて、コンビニ居酒屋をつくってほしいと意見を書いた。考えはこうだ。安い居酒屋はまずくてコンビニの惣菜や缶詰のほうがまし。コンビニの隣に小さな居酒屋スペースを作ってセルフサービスにすればうまくいくだろう。
この記事をNewsPicksがピックし、錚々たる著名人が反対意見を書き込んだ。
▼楠木建。一橋大学、競争戦略の教授。書籍「ストーリーとしての競争戦略」がヒットした。
▼インテグラル株式会社代表。一橋大学、京都大学の教授。ハゲタカ鷲津政彦のモデルになった人物という噂も…。
これに対しホリエモンは「商売の経験もない頭でっかちの教授」「一橋の教授は変な人が多い」「小利口は商売では成功する確率が低い」と怒涛の勢いで反論。その後、賛成派と反対派に分かれ、しばらく議論が続いた。反対派の意見を集約すると以下のようなものだった。
・コンビニのイメージが悪くなる
・酔っぱらいの対応が大変
・そんな所で働きたくない
・スペースが設けられないので大半の店舗で不可能
・道路に面しているコンビニは売上が期待できない
当時netgeek編集部はホリエモンの方針に賛成であった。コーヒー、ドーナツに参入したコンビニが新たな成長を求める場合、生ビールという切り口は確かなニーズがあるだろう。
本当に居酒屋の形態にするのか、どこまでセルフサービスなのか、大まかな点は試行錯誤しながら修正していけばいい。ベンチャービジネスというものは事前に決めた計画通りにいくことはなく、実行の中で何度も軌道修正を重ねてようやく正解に辿りつくからだ。
アイデアの種について、はじめから落ち度を探して文句を言うことには大きな落とし穴がある。例えば15年ほど前に遡って、インターネットで本を売る、タッチパネルの携帯電話をつくる、家庭用の掃除ロボットをつくると誰かが言えば絶対に反対の声が起きたに違いない。しかしいずれも今では大成功しているものばかりだ。
もしも生ビールが大ヒットすればセブンイレブンはイートインスペースを拡充してまさにコンビニ居酒屋の形態に発展させるかもしれない。そうなればホリエモンのアイデアはまさに100点だったということになる。
ホリエモンはよく「ベンチャービジネスでは馬鹿な人が成功する。僕の周りの成功した経営者は馬鹿ばかり」と言っている。小利口な人は実行する前にリスクを考えてしまい、結局実行しない、あるいは自分の計画の間違いが認められず修正ができないのでベンチャーの世界では成功しないのだ。
ベンチャー企業内に小利口な権力者がいるとまさにやっかい。どんな斬新なアイデアも潰されてしまう。ホリエモンに反対意見を投げかけた有識者はまさにその典型だった。大事なのは「どこがダメ」ではなく「どうしたらよくなるのか」という発想に切り替えて議論を建設的に発展させていくことだ。
実行する前からリスクを捉えて行動しない者は賢者ではなく、リスクを恐れている臆病者だと断言したい。
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