日経ビジネスの「社員のやる気を出す取り組み」がとんでもない罰ゲームで日本中が騒然
netgeek 2016年1月17日
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そんな扱いが難しく、議論が分かれるモチベーションについて日経ビジネスがとんでもない記事を掲載しているとネット上で話題になっている。
少し見づらいかもしれないので内容を紹介すると、各企業が行っている「やる気UP策」を紹介するもの。そして、それが社員の立場からするとげんなりしてしまうイベントに見えるという中身だ。
・家族も参加できる大運動会(住友電装)
・部門別業績を全社員が予想(リンクアンドモチベーション)
・社内報に毎号、全社員が登場(アチーブメント)
・ランチ仲間を抽選でランダムに(マンションリサーチ)
・運動会、社長は転がす玉の中(スピードリンクジャパン)
・職場盛り上げ社内通貨獲得(アイ・パッション)
・賞金付き社員相互表彰制度(クラウディアン)
・新入社員が社員旅行を企画(龍名館)
・社内SNSでプライベート情報(VSN)
どれも総じて社内の絆を深めるもので、会社のことが大好きならまだしも、ストレスをたくさん感じながら嫌々働いている人にはたまらなく参加したくないイベントになっている。きっと運動会は休日にやるのだろう。それなりに地位が上ならば楽しめるかもしれないが、こういうときは若手は何かと気を使わねばならず、心身ともに疲れそうだ。
この画像をアップしたTwitterユーザーの@sampleyyさんは「シンプルに給料を上げて休みを増やすことがモチベーションをあげる最良の方法」と主張しており、もっともな意見だとして12,000もリツイートされた。
そして周囲からは追加コメントとして「昭和感満載だね」「カルト宗教みたい」「絶対に入りたくない会社」「逆効果」などとツッコミの嵐が巻き起こり、日経ビジネスは大バッシングを浴びることになるのであった。
しかしながら元来、企業が簡単に実施できるはずの「給料アップと休み増加」に踏み切らず、このような取り組みに傾いてしまう事情も理解できなくはない。端的に言えば、社員というものは安い給料でたくさん働かせたほうが儲かるからだ。
企業の利益を犠牲にして社員満足を追求するのは本末転倒。だからこそ、社員のモチベーションアップの施策はできるだけお金がかからないものがよいとされる。そのような条件で人事部が「何か企画しないと…」と考えた結果が運動会やランチ、社内報だったというわけなのではないだろうか。現場から評判の悪い制度ができてしまうのにはこのようなメカニズムがあるのだ。
企業というものは独自のカルチャーが強ければ強いほどよく、外から見るとカルト宗教のように見えるほうがうまくいくと言われることがある。
何か現実味のない理想論の塊のようなやりがいやビジョンを盲信した社畜が必死に働いてくれるからだ。その証拠に精神論丸出しの教育を行う飲食店や営業会社は意外と業績はよく、うまくいっていたりする。悲しいかなこれが現実だ。古代ローマの奴隷は今で言うサラリーマンのこと。さしずめ、モチベーションアップ策は奴隷をもっと利用するために施策といったところか。