マシュマロ実験の結論にどんでん返し。忍耐力ではなく親の経済力の問題だった
netgeek 2019年7月8日
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目の前のマシュマロを我慢できるかどうか。
実験はスタンフォード大学の心理学者・ウォルター・ミシェルが1960年代から始めたもの。丁寧な追跡調査で後の社会的成功も調べ、IQ(知能指数)よりも忍耐力が人生を左右すると結論づけた。
「忍耐力が大事」というのはおそらく多くの人が自身の経験から同意するところだろう。だが、比較的最近になってからこの考察が間違っていることが判明した。一部始終を説明した以下のツイートを読んでほしい。
マシュマロ実験という実験があって
小さな子供を部屋に入れて
「マシュマロを1個食べていいよ。でも、もし10分間食べるのを我慢したら2個あげる」
って言って、1個すぐ食べた群と我慢して2個食べた群に分けるこんな実験をしたんだ
そして追跡調査の結果、後者の子供の方が明確に優秀だった
— hiro_tyun (@hiro_tyun) July 4, 2019
ここから、当時の人達は
「忍耐強い子供は将来成功する!子供の忍耐力を鍛えてあげることは有効なのだ!」
という結論を出した
追跡調査で明確な差が出ていたので、これは自然な結論だろう
自分も信じていた…ところが、最近になってこれが否定された。
— hiro_tyun (@hiro_tyun) July 4, 2019
マシュマロを2個取った人は裕福な子供が多く
マシュマロを1個取った人は貧しく不安定な家庭の子供が多かった前者の子供は我慢したら報酬がきちんと渡されると信じていて
後者の子供は「我慢しても報酬の約束は反故にされるかもしれない、だから今食べてしまえ」という合理的な判断で食べた
— hiro_tyun (@hiro_tyun) July 4, 2019
ここから
「本当に学力に影響があったのは忍耐力ではなく、親の経済力」
「子供達はどちらも十分合理的な判断をしていた」この新しい結論が出たということなのだ。
もちろん、この説もひとつの角度の見方に過ぎず、またいつか否定されるかもしれない。
それにしても統計とは奥深く面白いものよ…— hiro_tyun (@hiro_tyun) July 4, 2019
いくら忍耐力が強い子供でも「約束は必ずしも守られるわけではない」と信じていたら目先のマシュマロを1つ食べるほうが合理的な判断ということになる。例えば日本であれば親にお年玉を預けたのに返してもらえなかったという話をよく聞く。このような経験をした子供は目先の確実な利益を取りに行くほうが得する確率が高いと考え、行動が変わるかもしれない。
そして子供が大人の約束を信じるかどうかは家庭の経済的な豊かさと直結していると考えられるというわけだ。
もっとも、ツイートで触れられているようにこの考察もまた覆される可能性が残っている。研究の世界では相関関係を因果関係と誤認してしまうことは多々あるのだ。
以下のデータも興味深い。
参考:東大生の家庭と一般家庭の年収をグラフで比較したら「教育はどれだけ課金したかで決まるソシャゲと同じ」ということが分かった
噂には聞いていたがまさかここまでとは…。驚いたことに東大生の家庭は過半数が950万円以上の年収があるのだ。
世の中の問題は大体お金で解決できるという考え方に従うならば、やはり豊かな親のサポートの下でしっかりと勉強に取り組める環境が整っており、良い教育を受けられる子供が受験勉強で高い成果を出すのだろう。
実に面白いマシュマロ実験。別の考察を持った人はコメント欄に書き込んでほしい。
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