大塚家具、身売りへ。久美子社長がついにギブアップ
netgeek 2018年8月12日
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勝久元社長も驚きを隠せない。
元は経営方針をめぐって始まった親子喧嘩。ニトリとIKEAが安価路線で急速にシェアを奪う中、勝久氏は会員制の高級路線を目指し、娘の久美子氏は脱会員制を目指していた。株主は久美子氏を支持したが、結局、うまくいかなかったようだ。
あのときはどちらが正解なのかと考えたが、結局どちらも不正解だったということなのだろう。大塚家具はすでにビジネスモデルが寿命を迎えたと判断し、固定費を削減することで利益が出る体制をつくるべきだった。あとは売上が減り続ける中できっちりコスト管理を行い、衰退期の戦略の定石通り規模を縮小させていくべきだったのだ。
しかし久美子社長はコンサルのアドバイスを聞き入れたのか、中価格帯を狙うポジショニング変更を目指した。その結果、2018年12月期は34億円の赤字になる見込みだ(業績予想では13億円の黒字だった)。赤字は3年連続で、久美子社長は何も結果を出すことができなかった。
M&Aについては救済企業探しも難航している。
ヨドバシカメラはすでに旨味がないと判断し「買う気はない」と断言。現在は貸会議室大手ティーケーピー(TKP)と台湾の企業グループ「能率集団」と交渉していると報じられている。
大塚家具は一体何がいけなかったのか。テレビでは「現在の顧客は安くていいものが欲しい」「大塚家具はニーズの少ないそこそこの品質・価格を狙ってしまった」と解説された。
ポジショニングが中途半端で魅力的な価値が提供できていなかったということだろう。ネット上ではまさに2代目が会社を潰す典型と揶揄されている。
なお、勝久氏は高級路線の匠大塚を経営している。そちらの経営はうまくいっているのだろうか。経営状態は公開されていない。
久美子社長は意外にも筑波大学ロースクール(法科大学院)を修了していたことが分かった。
参考:活躍する修了生 Vol.1 株式会社大塚家具 大塚久美子社長へのインタビュー
「活躍する修了生」という紹介の仕方が痛々しい。経歴を見ると、起業してからロースクールに入学し8年かけて卒業している。もしかして起業がうまくいかず、途中で弁護士を目指したのだろうか。
大塚家具、過去10年の株価推移。
2015年に親子喧嘩が有名になり、久美子社長誕生で株価があがったものの、その後は右肩下がりに。やはり無理に改革を目指さず細々とやっていくほうがよかったのではないか。
一時は家具屋姫ともてはやされた久美子社長、今では家具屋悲鳴になってしまった。
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