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東大学長の「新聞を疑って読め」という入学式メッセージを読売新聞が「新聞を読もう!」に要約してまさしく言葉通りの事態に

netgeek 2016年4月13日
 

4/12に行われた東京大学の入学式にて五神真学長が「新聞を懐疑的に読んでほしい」「見出しだけでなく本文も読むべきだ」というメッセージを送ったところ、その後に読売新聞が「新聞を読もう」と見出しをつけて自滅した。

まずは学長のメッセージから確認しておきたい。自身の体験談も交えて情報を正しく解釈することが重要と説いている。

ところで、皆さんは毎日、新聞を読みますか? 新聞よりもインターネットやテレビでニュースに触れることが多いのではないでしょうか。ヘッドラインだけでなく、記事の本文もきちんと読む習慣を身に着けるべきです。東京大学ではオンラインで新聞記事や学術情報を検索し閲覧できるサービスを学生の皆さんに提供しています。ぜひ活用してください。その上で、皆さんにさらにおすすめしたいことがあります。それは、海外メディアの報道にも目を通すことです。日本のメディアの報道との違いに注目してみてください。また、世界の中で日本がどのように見られているかということも意識してみてください。私は総長になって以来、世界の多様な人々と話す機会が増えました。その中で世界のとらえ方や、外から見た日本の姿が、私のそれまでの常識とずいぶん違うと思うことが度々ありました。手近な日本の新聞やテレビによる情報だけでは足りないのです。皆さんには、ぜひ、今からそのような国際的な視野を日常的に持つ習慣を身に着けてほしいのです。

http://www.u-tokyo.ac.jp/gen01/b_message28_01_j.html

スピーチでは、誤った報道に騙されないためにも日本国内だけではなく、海外のメディアにも触れることが肝要と勧め、また新聞を読む際には見出しだけでなくしっかりと本文にまで目を通すことをアドバイスした。

インターネット、PC、スマホが普及して新聞を読まなくなった学生が増える中、東大では無料で新聞が読めると紹介したうえで、鋭い情報感度を養うために批判的な読み方を推奨したのは的確なアドバイスといえよう。

だが、この後、読売新聞がとんでもないことをやってしまう。なんと学長の「新聞を懐疑的に読め」というメッセージを「東大生よ、新聞を読もう」にすり替えてしまったのだ。

toudai_simbun (2)

東京大学の入学式が12日、東京都千代田区の日本武道館で行われ、新入生約3100人や保護者ら計8000人以上が出席した。 五神真学長は式辞で「うわべの知識をうのみにせず、情報の洪水にのみ込まれない『知のプロフェッショナル』になってほしい」と指摘。その上で、「皆さんは毎日、新聞を読みますか。新聞よりもインターネットやテレビでニュースに触れることが多いのではないでしょうか。ヘッドラインだけでなく、記事の本文もきちんと読む習慣を身につけるべきです」と述べた。

http://www.yomiuri.co.jp/national/20160412-OYT1T50071.html

これでは本質的な部分が全く違う意味になってしまう。「うわべの知識を鵜呑みにしない知のプロフェッショナルになるには新聞をしっかりと読む習慣を身につけるべき」と理解できてしまうところが奇妙だ。

読売新聞としては部数が落ち続けている経営環境も相まって喜々として新聞の価値を伝えたかったのだろうが、やはり見出しは「東大生よ、新聞を懐疑的に読め」が正しいのではないか。皮肉にも学長の指摘通りの結果となってしまった。

そしてこの読売新聞の記事を見て騙された人は「大学生に新聞を読もうでは低レベルすぎ」と批判したうえで、「盲目的に受け入れるのではなく見極める力が大事」と説教し始めた。

toudai_simbun (1)

いや、それは学長がすでに言っているのだが…。最近は新聞に限らずウェブメディアでもFacebookやTwitterで記事がシェアされた際に、本文まで読まないでタイトルだけで中身をよく理解しないままコメントする人が多い。東大学長の知のプロフェッショナルになるためのアドバイスは大きな波紋を広げている。

合わせて読みたい→読売新聞「ペヤングに熱湯を注ぐとソースのにおいが立ちこめる」←さすが高年収のマスコミ様。ペヤングの食べ方も知らないのか

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